フィレオフィッシュタウンエンターティナーズ
『※』
「にゃ……ニャモさーーん!!」
フィレオフィッシュタウンフェスティバル……私は力の限りニャモさんの踊るステージを肉きゅうでバンバン叩いた。
「ニャモさん。彼もまたマリスの犠牲者だった。チャンスの国ニャリウッドでリ・スタートできるといいな……聞いてないなニャトソン」
「いいニャモーー!!」
「チャンスの国ニャリウッドか……しかし昨日は疲れた……やはり僕は猫のままでいい」
「ネコノママデイー!!」
ハイテンションな私は人間語でそう叫んだ。
「猫のままでいい? 猫のままでいい……これだ!!よし! 彼らを探して私は復活する!」
フェスティバルにたまたま来ていたファレ爺は走り去った。
彼がニャーランド誌に書いてあった『失踪した世界的な映画監督』と知るのはまた後のお話。
「いやぁ……ニャームズ。君が会わせたい方とはニャモさんだったか……ありがとう……またニャモさんに会えるとは……」
肉きゅう握手をした。
「本当は他にいたのだがね……
まっ、君はもう会って話もしたようだからいいだろう?」
「……?」
「僕はまた日本の鰹が丘を拠点にニャー探偵をやるつもりさ。ニャトソン君。さぁフライトの時間だ。行こう」
「あぁ」
私たちは空港に向かった。
フジンと西根氏を残して……
※すっかり忘れていたのだ。
〓
とある国のサーカスで……
「オワーン!! マグロウアイウアイ!!」
『おぉっ!! ご飯! マグロうまいうまいと言っているようだ!! まさにしゃべる猫!』
(せがれよ……大きくなったな……ニャームズさんありがとう……息子と話をし、酒をのめた……私は幸せでした……)
ポーは泣きながら鳴く。
「オワーーン!!」
〓
「……あぁっ!?」
日本に帰ってきて一ヶ月……私は信じられない物ををみた。
『※』
ワン・ユキノ役の彼女がテレビで歌い、アンディアナント役もジョーオーウン役もファレ爺もいる。
『失踪していたファレ監督が新しいチームを引き連れて帰ってきました!チーム名はそれぞれの役名から取り、【アナントユキノジョーオーウ】と言うそうです!!
ファレ監督の新作に期待が寄せられます!! 続いては天気予報です!!』
「……」
チャンスの国ニャリウッド……
私は最初から最後まで【フィレオフィッシュタウンエンターティナーズ】に振り回されっぱなしだったのである。
「動揺している暇はないぞ!!」
私は肉きゅうで顔をプニュプニュ叩いた。
そう……今日はあの番組復活の日である……
昼12時のワンダーランド……
『12時だよー!!』
「きたぁーー!!」
画面一杯にうつるバタ臭いニャモさんの顔面……
『※あっちゃこちゃすったもんだいいニャモ♪』
「ニャモさーーん!!」
『それじゃあ今日も最後までみてくれるかな?』
「いいニャモーー!!!!」
私は力の限り叫んだ!!
あぁ……私の猫ライフは薔薇色だ。
、
過ちを犯してしまった君。
夢に向かって一歩踏み出せない君。
ニャリウッドのフィレオフィッシュタウンにいってみないか?
あそこには夢とチャンスが転がっている。
人はやり直し、夢をつかめる……そうだろ?
……それはブラウン管の向こうの男が証明してくれている。
2014年。
ニャーランド誌掲載。
【フィレオフィッシュタウンエンターティナーズ】
完。
また読んでくれるかな!?