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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
フィレオフィッシュタウン・エンターティナーズ
40/203

3人マフィア

『世界中で暴力事件が多発している』


『世界的映画監督行方不明』

……


 これが一面……世界レベルだろうと一面だろうとそんなことはどうでもいい。


『ニャモさん。合法ドラッグで逮捕』


「くっ!!」


 小さな記事だが何度読んでも涙が溢れてくる……


「ニャトソンさん。大丈夫ですかな?」


「これは失礼……」


 ポー氏にテント奥の自室に招かれた私は世界中を巡ったというポー氏のコレクションを拝見していた。


「しかし凄い。ニャー語の新聞なんて知りませんでした」


 ポー氏の部屋にはニャー語で書かれた本や新聞がたくさんあった。


「全てニャーランドというところから出版しています」


「へぇ……ニャーランド……

しかしポーさん。これは誰です?」


 どの雑誌や新聞も表紙にワシ鼻の鋭い目付きのパイプをくわえた男の写真があった。


「彼ですか? 彼は【シャーロック・ホームズ】といいます。彼はニャーランド誌のイメージキャラクターなんです」


「ほう……」


 人間が猫雑誌のイメージキャラクターとは……

 パイプをくわえた彼の姿ははどことなくニャームズを思わせた。

 人間界の【ニャーロック・ニャームズ】といったところか?


「シャーロック・ホームズか……」








「ニャトソンさん……この道はやめておきましょう……」


 私はポー氏の案内でビーチへと向かっていた。


「何故です?」


 葉巻を吸う太った黒スーツの男を見た瞬間ポー氏の顔色がかわった。


「あの黒スーツの男は【アンディ・アナント】……イタリアンマフィアのドンですよ……なぜこんな場所に……」


「マフィアのドン……確かにそれならば道を変えたほうがいいでしょうね……」


 【君子危うきに近よニャズ】だ。






「こ……この道も駄目です!!」


「彼女がどうしました?」


 冷たい氷の目を持ったチャイナドレスの女……


「彼女はチャイニーズ・マフィアの女帝……【ワン・ユキノ】です……他の道を……」


「そうですね……」



 【逃げるが猫】である。





「さぁこの裏道には誰も来ませんよ……そそ……そんなぁ……」


「またですか!?」


 【仏の猫もサントワマミー】……


 ゴールドのスーツを見にまとい、大量のアクセサリーをジャラジャラと鳴らしながら歩く男……


「信じられない……アメリカン・マフィアの大物……【ジョー・オーウン】だ……なぜ3人が……?」


「どういう意味です?」


「アンディはワンにワンはジョーにジョーはアンディに抗争で敗れているのです……そんな3人が鉢合わせでもしたら……」


「ゴクリ……大変なことになりますね……あぁっ!!」


 先ほど我々が通ってきた道からアンディとワンが歩いてきた。


「これはまずいぞ……」


「す……素晴らしい!!」


「えっ!?」


 小汚ない身なりの男がごみ置き場から飛び出してきた。


「ファレ爺!!」


「ファレ爺?」


「ファレ爺はごみ置き場を寝床にするボケたホームレスなんです!! あの3人に近づいたら駄目だファレ爺!!」


「くっ!!」


 私は無意識にファレ爺の足元に向かって走り出した。


「とうっ!! 止めなさい!!危険ですよ!」


 ファレ爺のスネにしがみついて必死になって止めた。


「素晴らしい……素晴らしい……ん!? 離せ!! なんだこの猫は!?」


「は……離すもんか!」


「何をニャーニャーと!!おぉ!!」


「むっ!?」


 アンディがワンにワンがジョーにジョーがアンディに銃口を向けていた。


「……」


「……」


「……」


 息詰まる程の緊張感……3人は銃を下ろし、無言で立ち去った。


「うむむ……」


 さすがは大物マフィアの3人である……すさまじい迫力だった。


「い……いかん。見とれてしまった……あぁ……滅多に見れるもんじゃないのに……」


「まったく……何をいっているかわからないが猫騒がせな……ファレ爺。私はあなたの命の恩人ですよ!」


 どうにも今日は老人に悩まされる日である。


 せっかくのリゾートが……


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