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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
フィレオフィッシュタウン・エンターティナーズ
37/203

猫の脳みそ2

(ニャトソン君。君は海外は初めてかい? 猫生は何事も経験さ。フジンと一緒に『ニャリウッド』の『フィレオフィッシュタウン』に来ないかい? 青い空……白い雲……輝く砂浜……きっといい思い出になるぜ)


(ニャームズ!! 君はいったいなぜ消えた?今日こそ訊かせて……切れた)


 あれから何度かニャームズから電話がかかってきたがニャームズは私の質問をのらり、くニャりかわし、言いたいことだけ伝えてすぐに電話を切った……一度で全て伝えればよいものを……ずいぶん回りくどいことをするオスである。



「……『ニャリウッド』の『フィレオフィッシュタウン』か……」


 私はボンニャリとテレビを見ていた。

『いいニャモ』の後続番組『ニャイキング』もすぐに終わり、この時間は『ブラウン・サークル』というドラマを見ていた。


「やはりニャモさんのいないテレビなんてテレビではない……楽しくなければテレビじゃないニャン!! 『笑っていいニャモ』を!!『ニャモさんのニャングルTV』を『ニャモリクラブ』を返せ!!」


 そう叫びつつも私はテレビを見ている……ニャームズにそう言いつけられたからだ。


(いいかい? ニャトソン。人間語もニャー語もたいして変わらない。覚えられそうなものは全て覚えたまえ。言ったろう? 推理とは『知ることと観察すること』だと……)


 またまた悲しいかな猫の脳みそ……

その時の私は『言った? そんなこと? 言ったかニャ?……あっ!?確かに言った!!』


……と、思い出すのに数秒かかった。


「しかし……本当に聴くだけで覚えられるのだろうか……?」


 私はただテレビの音声を聞いて言葉を覚える

『スピード・ニャーニング』にトライしていた。


(きっと覚えられるさニャトソン。あの『石川ニャー君』だってスピード・ニャーニングで人間語を覚えたんだぜ?)


 ニャームズはそう言った。

その時は『なるほどそれならば』と思ったがしかし腑に落ちないことがある。






「石川ニャー君って誰だ?むっ?」


 黒とも肌色ともいえない……茶色っぽい肌の俳優がなにやらセリフを叫んでいる……


「覚えておくか……」


 私は彼のセリフを頭に叩き込んだ。

なぜだか忘れない気がした。

……どうしてだ?






「オワーン!!」


「はいはいご飯ねぇ……今、ご飯って言った?」


 フジンは驚いた顔を見せた。

そんなのはいいから食事がほしい。

私は空腹なのだ。


「オワーン!! フイーン!!ウナナ……オワーン!!」


「なんか『ゴハン!! フジン!! はやく!! ゴハン!!』って言った気がする!!ニャーちゃん言葉を喋れるの!?」


……私の苛立ちは頂点に達した。


『ワエワエハ!! ワエワエハ!! エウアナーナーナ……ロイツマー!! ナァー……オーン!!』


「気のせいか……」


 フジンはなぜかガッカリし、マグロ味のカリカリを私のディッシュに盛り、皿洗いを開始した。


 チャッ!!チャッ!!チャッ!!


 夢中になってカリカリを食べた……うん……うまい!!


「……マウロウアイウアイ……マウロウアイウアイ……」


「……今、『マグロウマイウマイ』って言った!?」


 私はフジンを無視して食事を続けた。



……ニャンだと言うのだ?


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