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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
ミケ墓村。
165/203

ヘネコプターでミケ墓へ

「お疲れ様です!」


「うむお疲れ様」


「……どちら様?」


ロープウェイのあった場所に戻ってくるとドーサツの制服に身を包んだキツツキが木にくちばしで穴を空けていた。


「ドーサツのツトッキーだ。木に穴を空けてチェーンを通すのさ。前よりガンジョなロープウェイができるよ」


「ははぁ」


なるほど先ほどから聞こえていた奇妙な音はこの音だったか。


「幽霊だとでも思ったかい?幽霊の正体なんて案外こんなもんさ」


「……」


ノーコメント。


確かに幽霊かなにかだと思っていたが、それを口に出したらからかわれるのは目に見えている。


「こんなときの為にヘネコプターのトランクに……あったぞ!」


「……?うわっ!やめろ!」


「動くな!」


ニャームズはヘネコプターから取り出した銀色の服を私に無理やり着せてチャックを閉めた。


「背中が重いぞ!」


なんだコレは!?まるで宇宙服だ!

酸素ボンベまでついているじゃないか。


「特殊部隊……スキャットも愛用している対バイオハザード用のスペシャル装備さ。何百度の炎にもマイナス何度の寒さにも耐えられ、防御力抜群。水中でも行動できる」


ニャームズもいつの間にかスーツに着替えていた。

器用な奴だ。


「……つまりそれほどまでに危険な場所に我々は出向こうというのだな?」


「ポチ武者と戦闘になるかもしれないからね!ハッハッハッ!さあヘネコプターに乗りたまえ!」


ジョークなのだろうが怖い。

もし本当にポチ武者がいたら……こんなスーツなんて役に立たないんじゃないのか?


それでも私は勇気をだしてヘネコプターの助手席に座った。


私も強くなったものだ。


いや、諦めがよくなったのか?





「まあそうだろうね」


「わかっていたことだろう?」


「もちろん」


ポチ武者の墓へ向かう洞穴の入り口には門番が立っていた。

ヘネコプターを使ったのは正解だった。


私たちは空から森の奥へ向かう。


怖すぎて逆に興奮してきた。

満月の夜だからだろうか?


月の光が眩しいぐらいだ。


「ボーッとするなニャトソン。あのあたりがきっとポチ武者の墓だね」


「ほう?」


森は当然一面の緑なのだが、そのあたりだけ緑の質が違うというか……異質な何かを感じる。

揺らいでいるような淡く光っているような。


「着陸するぞ!しっかり掴まれ!」


「うむっ!」


いよいよポチ武者の……ミケの墓とご対面だ。






「ほうっ……」


木だ……林だ……草だ。


森なのだから当たり前の景色なのだが見るもの全てが神秘的な気がする。

自然に囲まれた八つの墓石。


美しい。


なんだかポチ武者の幽霊が……ミケが私に憑依しているような。


「おや?ニャトソン?いけないな!ポチ武者に取り憑かれているな!?速く戻ろう!」


ニャームズは枝を一本ポキリと折って袋に入れ、私を無理やりヘネコプターに乗せた。


『ウラミハラズオクベキカ……ウラミハラズオクベキカ……』


「……あっ!?」


間違いない!ポチ武者たちの声が聞こえる!

私は狂いそうになるのをグッとこらえた。


ヘネコプターは再び上昇した。






「事件解決だ」


「……え?」


ヘネコプターで村に帰る途中ニャームズはそう言った。


「解決って……なんだ?私には何もわからなかったぞ?」


「ロープウェイの辺りで君を降ろす。そしたら僕は町に戻る。ロープウェイまで少し時間がある。君に真相を話そう。村猫たちを呪いの恐怖から救ってやれ。探偵役はまかせた。いきなり見知らぬ猫が現れたら彼らは襲ってこないとも言い切れない。それに僕も少し疲れた」


「……また君の役か」


勘弁してくれ。


読者のなかにはニャームズ=ニャトソン説を本気で信じている動物も人もいるのだ。

まあいい。

聞こうじゃないか?



「田子作は……」


「ええ!?」


「呪いとは……」


「ほほうっ!」


「つまり……なわけさ」


「オーマイキヤット!」


全ての真相をニャームズから聞いた私は今宵の冒険と驚きと興奮でロープウェイにつく頃には精神も肉体もヘロヘロになっていた。




そして解決編へ。

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