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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
ミケ墓村。
159/203

手鞠歌?

テレビクルーの体格のよいオス……『ピエール』と大学生の『ジョニデ』と意気投合した私は彼らからもう一つのミケ墓村の伝説を聞いた。

これは私を大いに興奮させた。


「そりゃ本当ですか?『汗だくの湯』……そんなものがミケ墓村に?」


「ええ」


二匹が言うにはミケ墓村には『どんなデブ猫も必ず痩せる』温泉があり、だからミケ墓村にはデブはいないそうだ。


そうと知ったらいてもたってもいられなかった。


イワシ町からロープウェイもあるらしいし、帰りはニャームズにヘネコプターでイワシ町まで迎えにきてもらえば『運動せずダイエット』ができる。

完璧なダイエットプランだ。


「どうです?もしよろしかったらご一緒しませんか?」


「あっ!俺たちもいいっすか?」


「もちろん」


「それでは……私も……」


こうして私とテレビクルー、大学生サークルは共にミケ墓村に向かうこととなった。





和室でニャンメルツ・ネコネコを肩に塗るニャームズにこのことを告げると彼は大変呆れた顔をしたが、了解してくれた。


「僕はここでゆっくりして心の洗濯でもしていくよ。気をつけろよニャトソン。何かあったらスニャホで」


「わかった」


やはり私は鈍かった。


ニャームズが肩が凝ってニャンメルツ・ネコネコを塗るのもおかしいし、こういう話に乗ってこないのは奇妙とも言えただろう。

彼はアクティブな猫だったのだから。


呑気な私は善は急げとロープウェイに乗ってミケ墓村に向かったのだった。






「……高いね」


「落ちたら即死ですね」


「やめてくださいよー」


ロープウェイはなかなか古いもので進む度にギシギシ音を立ててかなり怖い。

ロープもその名の通りワイヤーでなくロープだ。


「……あれが」


ミケ墓村が見えてきた。


何というか……やはり古い。


廃墟のような日本家屋がチラホラ建ち並んでいる。

情報によると過疎化がひどいようだ。

若い猫はみんな都会に行く……それは人間界も猫も変わらない。







プシュー……ロープウェイの扉が開くとメガネをかけた凛々しいネコと汚いモップのような老猫が出迎えてくれた。


「テレビクルーの皆さんと大学のサークルの皆さんですね?ようこそミケ墓村へ。何もない場所ですが食事はうまくて風呂は最高です」


メガネ猫は『ジュンイチロウ』と名乗り我々はジュンイチロウから長老の『ダスキン』を紹介された。


ジュンイチロウは廃れていくミケ墓村の村おこしの代表者だそうだ。


一方ダスキンはボケているのかモグモグなにやらずっと呟いていた。


「それではお宿に……」


「ん?」


ロープウェイ乗り場の近くの広場で子猫がスーパーボールを跳ねさせ唄いながら遊んでいた。


『体格自慢の田子作は~武者に祟られおっちんだ~。やたら熱心レンズ猫~武者に祟られとち狂う~。野次馬根性若い猫~武者に祟られおっちんだ~♪』


「ああ……あれは……」


ジュンイチロウが村に伝わるわらべ唄だと教えてくれた。


「……」


ミステリー好きの諸君も感じているだろうが、このときの私もいやな予感がしだしていた。


猫里離れた恐ろしい伝説のある村に伝わる奇妙なわらべ唄……


事件が起きそうな気がした。


そしてそれでも私は汗だくの湯に入りたかった。




次はアルファポリスミステリー大賞狙いで頑張ります。

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