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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
ミケ墓村。
158/203

田子作

イワシ町は穏やかでとても良い温泉町だった。

私たちは荷物を旅館に置いて早速足湯に浸かった。

足湯で肉きゅうのむくみを取ったらお楽しみの全身入浴だ。

ようし汗をかいたらお腹ポンポンになるまで夕飯を食べるぞ!ここの名産はなんだろう?

……その前に。


「そろそろきかせてくれよニャームズ。ミケ墓村の伝説を……」


「……ん?ああ。ミケ墓村ね……」


足湯で気持ちよくなったのか、珍しく居眠りをしていたニャームズはミケ墓村について私に教えてくれた。


「ミケ墓村はこのイワシ町からさらに山を登って川を渡った場所にある村で……」


「それはさっきもきいた」


「ん?あれか?つまり伝説の話だね?それは……」






それは1970年代の出来事とされている。


今では一つの町に統合されたタタミイワシ町だが、当時は「タタミ村」と

「イワシ村」に別れ争っていた。


タタミ村かイワシ村かどちらからきたかわからないが戦いで傷ついた犬達……七匹の『ポチ武者』と猫の姫『ミケ』が山奥の村にたどり着いた……。

当時は名無しの村だった、後のミケ墓村さ。


気の優しい村猫たちは傷ついたポチ武者とミケを手厚く扱った……が、時がたつにつれ、ミケの持つ四角い箱が気になりだしてきた。

そしてこんな噂が村中に広まった。

『ミケはすごい宝を持っている』ってね。





「そして悲劇が起きた」


「悲劇?」


「……騒がしくなってきたね」


先ほどのテレビクルーたちと学生たちも入浴しにやってきた。


「気にするなよ。それより悲劇って?」


私も気になるが今はミケ墓村の伝説のが気になる。


「村人たちは山奥のさらに奥にポチ武者たちを呼び出し、罠にかけて殺した。当然ミケも……ミケの宝は奪われた」


「ひどい!」


物欲というのは恐ろしい。

気の優しい村猫たちを悪魔に変えてしまったのか。


「それでミケの宝というのは……」


「焦るなニャトソン」






村猫たちは大きな穴を堀り、そこにポチ武者たちとミケの死骸を放り投げた。


いよいよお楽しみの時間だ。


ミケから奪った箱を開けるとそこには……草のこびりついた汚い土の塊があった。


村猫は激怒し、それを穴の中にまた投げ込んだ。






「そして時がしばらくたち……」





 

満月の日の夜、村一番の巨猫である田子作があの日以来誰も近づかなかったポチ武者の死骸が眠る山奥に肉きゅうを踏み入れた。


すると……






「ポチ武者たちに祟られた田子作は狂い、村猫たちを無差別に一晩で32匹殺した」


「……おや?」


「こんにちは」


「ミケ墓村の話ですよね?僕らもいいっすか?」


テレビクルーのオスと学生のオスが話に入ってきた。

幸いにも(?)彼らは私を知らなかった。

ニャームズは……いつの間にかいなくなっている。

……ズルい猫だ。



「どうぞ」


話を最後まで聞きたかったので、私たちは三匹ならんで足湯に浸かった。


「しかし一晩で32匹は無理でしょう?」


いくら巨猫といえ信じがたい。


「だから伝説なんすよ」


「似たような事件はあったかもしれませんが現実離れした数字ですよね?話を誇張させてると思います」


にゃるほど……時がたち、尾ひれがついていったのか。


「そして村猫たちは「これはポチ武者の……ミケの祟りだ!」とその場所を立ち入り禁止とし、その日から名無しの村は『ミケ墓村』になったと……」


「それがミケ墓村の伝説ですか……」


神話や昔話の類だろう。


多少リアリティがあるような気がするが……やはり32匹殺しは大げさすぎる。


この時の私は全くこの伝説を信じていなかった……



そう。


間近であれをみるまでは……。




なろうコン二次落ちました。

応援してくれた方ありがとうございました。

正直悔しいっす。


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