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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
銀だら町の英雄
15/203

ニャーバン

 私は息荒く銀だら山にたどり着いた。


「ん? どうした? 猫?」


「イケ! もっと山奥へ!人間に見つかったら君は殺されてしまうぞ!!」


「グル???」


 ここに来るまでに山の入口付近を徘徊する人間数人とすれ違った。

 人間たちがイケを探しているのは間違いないようだ。


「猫聞いてくれイケなー。英雄になりたいな。だからわざーざふるさとはなれてニホンきた」


「何をいっているかわからないが急げ!!……誰だ!?」

 枯れ枝を踏む乾いた音……


「ひっ!! 俺っす!」


「君は……ニャーバン!?」


 赤いハンカチを頭に巻いた細身の猫……ニャーバンがそこにいた。







「へぇ……それでニャトソンさんが面倒見てるんすか? 確かにコイツ。なんかほっとけないっすね」


 観念し、事情を話すとニャーバンはあっさり全てを受け入れてくれた。

 頭がいいのかなにも考えていないのか……


「俺はニャトソンさんの味方ですよ。手伝えることがあったらなんでも言ってください」


「ありがとうニャーバン……」


 やはり猫は年齢も見た目も関係ないのだとしみじみ実感した。


「おいイケ! 今日から俺もお前のアニキだぜ!!」


「猫増えた。赤いの。グウゥ……」


「さっそくだが二匹共。移動するとしよう」


「ラジャッス」


「グルルルル?」


 こうして私とニャーバンは力を合わせてイケのサポートをすることにした。







「……というわけなんだ。ニャームズは自分より頭の悪いやつを全て下にみる悪癖がある。まったく腹のたつ変猫だ」


 銀だら山の帰り道。私はついつい心に秘めたものをニャーバンに吐き出してしまった。


「ふ〜ん……俺も色々な町を巡って、色々な猫を見てきましたがそれは多分……」


「うん?」


「そのニャームズって猫はニャトソンさんと仲良くしたいと思っていますよ」


「えっ!? なぜ?」


「なんつーか。ニャトソンさんもかなりのお猫好し……てか正直変猫なんでニャームズさんもどう接していいのかわからないのでしょう。あなたと同じで」


「……」


「案外お二人は似た者同士かも知れないっす」


「むむむ……それはないと思うが……」


 私も周りから見たらニャームズと同じような変猫なのだろうか?

 ……それはなかなか受け入れ難い。


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