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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
まだらの紐。
146/203

VSまだらの紐

ミケタケタ……猫のケタケタ。


マグロブツブツ……猫のブツブツ。


ポチガイ……犬の○チガイ

「そろそろ雨が止むね。長い夜も終わりだ」


「いや……そんなことより……ニャームズ!」


 私たちは館の裏側に来ていた。

 そこの地面には驚くべき事に『巨大な四つの穴』があいていた。


「ニャトソン。覚えておいた方がいい。『複雑すぎる事は実は単純』だということを。僕たちはあまりにも多い謎の枝を追いかけて真実という幹を見失っていた。あれを見ろ」


「……あれはなんだ?」


 ニャームズが肉きゅうを指した先は館の屋根……

につけられた巨大なフックのようなもの……屋根にフック?


「この巨大な穴は四つしかない。これがなにを意味するかわかるか? ニャトソン。それにフック。推理の材料をまとめようか?」


「た……頼む。しかしニャームズ。いつまだらの紐の化け物が現れるか……」


「まだらの紐の化け物ね……心配するなよ。出てきたら僕がとっちめてやる。少しおいたが過ぎてるからね。君に届いた招待状……これを見ただけで化け物の正体に気がつけなかった僕はまだまだだ」 


 なんとも頼もしいじゃないか。

……ん? 正体?


「ニャームズ。化け物の正体は巨大な大蛇だろ?」


「巨大な大蛇! そんな考え方もあったね!」


 なにが面白いのか……ニャームズはミケタケタと笑い出した。

 そして犬の鳴き真似をしながらステッキを振り回しながら歩いた。

 ああ……我が友はまるでポチガイだ。


「落下する死骸と上昇する死骸……四角い溝。まだらの紐……フック。招待状。『小型動物用の館』そして……スイッチ」


「スイッチ……?」


「忘れたのかいワンぞう氏の遺作『命を食う家』の書き出しだよ」


「ああ……」


『スイッチを探そうと私は……』


という書き出しだったな。



「ワンぞう氏は君たちに警鐘を鳴らしていたのさ。もうわかったろ? まさに命を食う家だ!」


「……」


 まったく全然わかんニャい。

 私が真顔で固まっているとニャームズはとんでもないことを言い出した。


「まだらの紐の正体をこの目で確かめてやる。いくぜニャトソン! 予備電源を復活させて君が囮になるんだ!」


「ああ!……えっ!?」


 勢いで返事をしてしまった。








「これで……よし」


 ニャームズは一階のオリスの部屋に取り付けられていた『なにか』を外していた。


「そろそろ電源が復活するぞニャームズ……」


「僕はクローゼットに隠れている。頑張れニャトソン」




 ニャームズはそそくさとクローゼットに隠れてしまった。


 なぜ私が囮なのだ? 強いんだから自分でやればおいじゃないか……

 このオスはいつもこうだ。


 私がマグロブツブツと呟いているとニャームズは


「誓って言うが君は危険にさらされることはない。この僕が保証する。手は打った。君が手にするのは名誉だけだ。もし君がけが一つでもしたら僕はこの命を君に進呈してもいい」


「……君は不老不死だろ?」


「不老だが不死ではない」


「あそ……」


 彼がここまで言うのだ。


 大丈夫なのだろう。


 しかし怖い。


 電源が復活し、チカチカとした明かりが館に灯った。


「……」


「……こわい」









 五分だろうか? 十分だろうか?

 永遠に恐怖が続くかと思われたその瞬間……『奴』が現れた。


「ヒイッ……」


 ギラギラと光る眼を持った『まだらの紐の化け物』……


「うわわわわ……」


 ヌラヌラと私に近づいた化け物が大きく口を開き私を呑み込もうとした……瞬間! ニャームズが現れ、ステッキで化け物の目を攻撃した。


 目の光りは消え、化け物は苦しげに悲鳴を上げた。


「プオォォォォーーーン!」


「こいつめ!」


 ニャームズは化け物に攻撃を続ける。


 たまらず化け物は天井に逃げていく……あれ!?



「天井が……ない!?」



 正確には天井の一部がない。

 一部なくなった天井から夜空が見えた。


 『全ての階の天井の一部がなくなった』ということか!


「……いいぞ! ニャトソン! 僕は奴を追う! 君はここで待っていろ!」


 ニャームズは表に出て行ってしまった。



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