ギルドフェスタ準備に雑用またも駆り出される。
眠いッ!
「すいません、ギルド長、もう一回言ってもらってもいいですか?」
「ふむ、いいだろう。 実はだな、来月にギルドフェスタが行われることに決定した。 元々は、フレグランスのギルドで開催する予定だったのだがね、ギルド長が腰を痛めてしまったらしくてな、今回は私たちのギルドで行われることになった」
「はい、そこはわかります」
「ふむ、それでな、お前たち皆で女装をして欲しい」
「脈絡仕事しやがれ!」
誰か、このギルド長の頭をかち割ってくれ。 どうゆうことだ、何故俺たちが女装をしなければならないのだ? まったく、ふざけるのもいい怪訝にしなさい! コウタ激おこぷんぷん丸だぞっ!おえぇ。
「前の、新しい土地を見つけた時の宴の時に、コウタとコロンはしただろう? アレは結構可愛かったぞ、羨ましいぐらいにな」
「えぇ、あの時の恥かしさは今でも忘れられないですよ....ね、コウタ」
「あぁ、」
2週間前ほどに、新しい土地を見つけたお祝いとして、宴を開催することになったのだが、その席で女装をした。 俺はアラブのダンサーで、コロンは不思議の国のアリスの服装だった。
アラブのダンサーって、随分マニアックな服装なのだが、男としてはあの薄い布から覗く腰のラインと顔がグッと来るらしい。 着た本人は全くもってグッと来なかったけどな。
「コロンやコウタがやるのは分かるんですが、何で俺までやんなきゃいけないんすか?」
「女性ギルド員の要望だ」
「クソッ!」
まぁ、グレイの顔は悪くないからな。 細マッチョな体が女性にはグッと来るものがあるのだろう。
俺には一生分からん事なのだが。
「でも、何で俺たちが女装なんですか?雑用ですよ?表に出ないじゃないですか。」
「ふむ、それがだな....」
俺は入って数ヶ月しか経ってないからギルドフェスタのことはよく知らないが、ギルドフェスタでは毎回、違うギルドで主催され、内容は全てそのギルドに任されるらしい。
面白い内容ならば、そのギルドが有名になるし、逆に面白くなければクエストの数が減る。
だから毎年、毎年必死こいて任されたギルドは面白い内容を考えるらしい。
そして俺たちのギルドは今回、《男性は皆女性の格好、女性は男性の格好》になって、ギルドフェスタをするらしい。 しかしながらこのギルド内のハンターやギルド員の男は皆筋肉質ばかりで地獄絵図になると言うことで俺たちも入ったらしい。
因みにギルドフェスタとは、ほかのギルドとの交流や、ほかの村や街などとの交流を深めたり、お互いのギルドハンターの腕試し、料理自慢などをするらしい。
開催期間は4日間、その間この村のハンター及び、ギルド員は性別の違う服を着ることにしたらしい。
「でも俺たち裏方ですよー。 グレイは元ハンターだから表に少し出るかもしれませんが、俺とコウタは裏で食事運びや、皿洗いですよ? 服がもったいないです」
「実はだな、お前たちのダンサーとアリスは男性ハンターの中で話題でな、今回はこのギルドの看板娘をして欲しい」
「可愛い女の子沢山いるじゃあないですかー」
「馬鹿か、女性は男装するんだ。 それじゃあ男ハンターの呼び込みはどうする? 圧倒的に男性ハンターの数が多いだろう? 筋肉質の女装に誘われたって誰も来やしないよ」
「たしか...に」
「まぁそうゆうことだ、宜しくな」