パーティ
俺達は一通りの取り決めと挨拶を交わした後、大広間の先の扉に進んでいく。
そこでは冒険者達が列をなし、今か今かと待ち望んでいる。
時間が掛かる事を覚悟していたがサクサクと進み、あっという間に扉の前へとたどり着いた。
厳重な扉の前には武装した兵士2人が威圧するように立っている。
体格や容姿のイメージからゴリラとサルのコンビといった感じだ。
そしてサル兵士が話しかけてきた。
「迷宮に入りたいの?それなら、冒険者カード見せてくれる?」
「ああ、これでいいか?」
兵士の問いにバナザードがいち早く反応し、カードを見せる。
「ハイハイ・・・問題ないね。他の人も見せてね。」
彼は軽い口調で素早くカードを確認していくが、俺がカードを見せると彼の手が止まった。
「ん?君は・・・死んだはず?」
「あ、はい、死にました。そして生き返りました、よく知ってますね?」
「君・・・命は大切にしないといけないよ。次は気を付けてね、はいOK。」
「はい、ありがとうございます。」
(適当に確認していると思ってたが、頭に俺達の資料が入っているんだな。)
思ったより優秀な兵士のようだ。
問題なくパスした俺達の前にゴリラ兵士が立ちふさがる。
近くで見ると凄まじい巨体で、巨人かと疑うレベルだ。
「この6人で迷宮に入るんだな?」
「ああ、そうだ。」
「では入れ。」
ゴリラ兵士は扉を開け、中に入るよう促した。
部屋の中には白く輝く魔方陣があり、パーティの仲間達はためらうことなく入っては消えて行った。
俺だけが一人とり残される。
(転移魔方陣?これが迷宮への入口なのか?)
ゴリラ兵士の目が早く行けとせかして来た。
(他の連中が迷う事なく入ったって事は大丈夫だよな・・・俺だけ変なところに飛ばされて壁に生き埋めとかはやめてくれよ。)
俺は覚悟を決めて、魔方陣に入ると視界が歪み、落ち着いた時には周りの景色が変わっていた。
目の前には知らない場所と、見知ったパーティメンバーが揃っていた。
(ここが迷宮か・・・ゲームでは線だけで表現されてたが、ちゃんと壁に石っぽい質感がある。)
「おい、おせえぞ。ビビってんじゃねえぞ。」
相変わらず口が悪い。
「まずは今回はこのバナザードがリーダーとして仕切る。それでいいな?」
迷宮では優先する指示を決めていないと、スグに崩壊する。
だから前もってリーダーを決めておき、基本的にはリーダーの指示を優先する。
「今日の目的はアリアさんの後輩たちの安否確認だ。対象は地下3階まで潜ると行ったっきり昨日から帰ってないらしい。まずは地下3階に行って痕跡を探る。俺達の実力ならそれほど危険はないが、油断するなよ。」
ゲームでの地下3階への適性レベルは6~8だ。
このパーティなら楽勝である・・・レベル5の俺を除いては。
俺達は打ち合わせ通り、隊列を組む。
前衛:アリア(戦乙女)・バナザード(騎士)・プックル(狩人)
後衛:アルテナ(神官)・アル(俺)・顔色が悪いエルフ(?)
となっており、俺は一応周りを囲まれているから安全・・・なのかもしれない。
「よし、探索に出発だ。」




