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第6話 パイロットの為に

翌日。

鈴木に言われた通り、本日決闘場にて俺の編入をかけた決闘が始まる。

ただ…その、何だ?


「大丈夫、零亜?」

「あ、あぁ…大丈夫だぞ?」

「緊張してるのかい?」

(するだろそりゃあ…!)


この話がとんでもないくらい大きく膨らんでしまった、学園祭とかその辺の祭りかよってくらい。

全教員、全生徒、おまけに学園長まで決闘場に来る…何でだよ!ただの一対一だぞ!?

たかが教員と生徒の戦いで何でこんなにも人が集まる!?

どうなってんだよこの学園はッ!!

はぁ…心の中で騒いでもしょうがないか。

んで今は明楽と一緒に整備科のARMOR整備所にファフニールを取りに行ってる。


「そういえば昨日はファフニールの整備はしたの?」

「…」

「…どうしたの?」

「してないというより、出来なかった」

「出来なかった?」

「つけばわかる」

「もうついてるよ…」

「…」

「零亜、もしかしてかなり緊張してない?」

「あ、あぁたりまえだろ!?だってただの一対一だぞ!?何でここまでどんちゃん騒ぎするんだよ!?」

「それが本当の気持ちだね。確かにとんでもないくらい盛り上がってるね、学園祭かな」


明楽の前で本当の気持ちを露見する。

というより明楽の前でしかこんな事はできない。


「それで…なんで整備できなかったの?」

「付いてきてくれ」


そういって俺はファフニールが格納されている俺の整備用格納庫に向けて歩く。

…他の整備している整備科の生徒とパイロットたちの視線が俺に突き刺さる。


「あ、ねぇねぇ…!あそこにいるのって…」

「嘘…零亜君じゃない?」

「零亜君が勝ったら…私たちのクラスに男子が来るって事…!?何それ夢じゃん!」

「いやいや…零亜君が来るのは私のクラスだから…!」


…聞こえてんぞ。


「…大人気だね、零亜」

「こんな人気、殴り捨てたい…ってどうした?不貞腐れていないか?」

「なんでもない!ほら、ファフニールのとこ行くよ!」

「お、おい!案内人を置いていくな!」


急に走り出した明楽の後ろを俺も走ってついてく。


「れ、零亜早くない!?」

「これでも運動してる方なんだよ!」


明楽を追い抜く。

あまいな…これでも運動神経は良い方なんだ。


「俺に勝てると思うなよ!」

「ちょっと!そっちがスピード上げたら追いつかない…!」

「じゃあ緩める」

「というか走るのをやめたらよくない?」

「走り出したのはお前だろ…」


結局よく分からない競争は勝敗もつかぬまま幕を閉じ、普通に歩き始めた。

ただ走ったおかげでファフニールの格納庫前にすぐついた。


「ここだ」

「…?なんでシャッターが閉じてるの?」

「さぁな」

「さぁなって…零亜が閉めたんじゃないのかい?」

「俺が来た時には閉まってた。んで問題がこれだ」


そう言って俺はシャッターの開閉のコンソールに案内する。


「まさかパスワードを忘れたの?」

「逆に聞くが俺が忘れたと思う?」

「…ないね、零亜が忘れると思わない」

「となるとどういうことかわかるな?」

「パスワードが違うって判断された?」

「正解」


そう、昨日宣戦布告を肯定した後。ARMOR同士の決闘をある程度見てからファフニールの整備をしようと思ったんだ。前の橋での戦いもそうだが目覚めた時から錆だらけ、整備が行き届いていない装甲やシステムなどなどがあったからな。

んで…ファフニールの格納庫のシャッターを開けようとしたが。


『えっと…パスワードパスワード…』

『パスワードが違います、もう一度お試しください』

『…は?』


いつも使っているパスワードを入力すると違うと表示された。

一瞬、頭で理解できなかった。

パスワードを変えた覚えもないし、変える権限を誰かに与えた覚えもない。

となると誰かに変えられたという事になるだろう。


「…まぁ心当たりはあるにはあるが」

「奇遇だね、僕も同じ考え」


十中八九、鈴木だろうなぁ…。


「どうしたものか…」

「ねぇ零亜」

「うん?」

「この状態でもファフニールを動かせない?」

「動かせるかもしれないけど、その場合整備所の天井と壁をぶち抜くことになるが」

「…やめておこう、他にも人いるしね」

「だがそうなると」

「戦う方法がないってことだよね」

「…俺の不戦敗を狙っての行動かもな」

「だね、さすが鈴木副担任。普通の人じゃ考え付かないことをするね」

「全くだ」


さてどうするか。

生身でARMOR相手に戦えるほど俺は強くはない。

まぁARMORを分解するくらいならギリ行けそうなくらいか…問題は。


(確実に殺されるかもな俺)


多分、鈴木…いやアイツは俺を整備科に戻すというわけでもない。

『男』という理由だけで俺を殺そうとしている。

全くもって度し難い、そんな思考回路を持つ人間がいるからこそこの国にバグみたいな組織が出来上がるんじゃないか?


「まぁ…生身で行くか」

「ちょ、ちょっと待った!正気かい!?」

「あぁ」

「即答…でも決闘場に行けば」

「死ぬかもしれないけど、一応で学園長にお願いしたいことがあるからな」

「お願い…?」

「あぁ、この願いが無理なら俺は死ぬ。それだけだ」

「それだけって…」

「それに最悪なのはこれだけじゃない、予定時刻10分前…どちらにせよ行かないとな」

「…」


結局、ファフニールを格納庫から出すことはできなかった。

ただ、一つ俺は感じている。

俺だけにしかわからない感情が。


(…ファフニールの怒りが俺に伝わってくる)


俺の頭の中に、内側から焼き尽くさんとするファフニールの怒りが俺に伝播している。

その怒りの刃はまだ仕舞っておけ、ファフニール。

…『まだ』だからな。


◇◇◇


AT学園、決闘場。

そこのギャラリーはとんでもないことになっていた。

全ての観客席に収まらないほどの人の数、湧き上がる声。

そしてその特等席である決闘場管理室で眺める東雲学園長たち。


「…鴉羽零亜は?」

「まだアウローラから連絡は来ていませんわ」

「…鈴木め、余計な事を」


決闘場のリングの中に鎮座している深緑色のARMOR。

その中に諸悪の根源が座っていた。


(予定時刻5分前…これで私の不戦勝、来ればこの手で殺すまで…!)


ファフニールの格納庫のパスワードを書き換えたのはこの鈴木足立。

勝つためなら手段を択ばず、気に入らないものは殺す。

まるで独裁者のような思考回路をしている。


『ソ、ソフィー生徒会長ッ!!』


ソフィー生徒会長の通信端末から大声が伝播してきた。


「アウローラ、鴉羽零亜は?」

『き、来ましたが…ま、待って!!正気!?』

「…?」

「アウローラの様子がおかしいな」


アウローラの様子がおかしいことが分かり、何故なのかはすぐに理解した。

ARMORの入場ゲートが開き、あのファフニールが出てくるはずだったが…ファフニールは出てこない。

その代わりに…。


「よぉ!鈴木副担任!」


ファフニールのパイロットである鴉羽零亜が生身で出てきた。


「鴉羽零亜!!?な、生身で!?」

「ファフニールはどうした!?」

「アウローラ!鴉羽零亜何故生身で…!?」

『それについては中央で話すといっていましたけど…』

「中央で…?誰か鴉羽零亜の声を拾ってください!」


ソフィー生徒会長が指示を出し、他の生徒が動く。

すぐさま機器をいじり、鴉羽零亜の声を拾おうと高性能マイク付きの小型ドローンが鴉羽零亜の元へ飛んでいった。


『さてと…何処から話すか』


鴉羽零亜の声が決闘場中に響く。

その声に伝播し、決闘場内が静まり返る。


『話す事はない、お前はARMORを持ってきていないじゃないか』

『あぁ、そうだな?誰かのせいでファフニールが入った格納庫のパスワードを書き換えられてたみたいでな』

『…それで?』

『ちょっと学園長に聞きたいこととお願いしたいことがあります』


そういうと鴉羽は特等席である管理室を見上げる。


『東雲学園長!コイツのいう事は聞く必要がありません!すぐさまコイツを』

「待て」


鈴木は問答無用で生身の鴉羽を攻撃しようとしたが東雲学園長が止める。


『しかし…!』

「…鴉羽よ、聞きたいこととお願いとは何だ?」


そして東雲学園が鴉羽の声に耳を傾ける。


『聞きたいことは…オールイーターとの戦闘で報酬金…的な物ってありますか?』

「…何故お金の話を?」

『それがこの後の願いに直結します。それで…どうなんでしょうか』

「報酬金に近い物はある」

『よかった…それでお願いなのですが、俺がパイロット科に編入した際に戦って得たその報酬金を学園の修理費に使ってほしいんです』

「学園の修理費…?」


東雲学園長もその話を聞くソフィー生徒会長や他の生徒も教員も鴉羽が言っていることが何一つ理解できなかった。


『やはり聞く価値なのない!!ここで死ねぇぇぇぇ!!!』

『何故修理費なのかを教えます』


問答無用でARMORの手を広げて鴉羽を叩き潰そうとする鈴木。

そんなことに驚きもせず話す鴉羽。


『これから俺は一機のARMORを鉄屑にし、ARMORの整備室と決闘場の壁と天井をぶち破ります。その修理費に使ってほしいんです』

「何を言って…?」

『――来い!!』


――ファフニール!!


その鴉羽の機体を呼ぶ叫び声が決闘場中に響いた。

次の瞬間。


――バゴォォォォォン!!


『なっ!?』


決闘場の天井が破壊されると同時に降りて来る黒と赤色の機体。

その黒と赤色の機体、ファフニールはパイロットである鴉羽を叩き潰そうとした機体の顔面を殴り、姿勢が崩れたところを容赦なく蹴りを入れる。


――ドォォォォォン…!


蹴り飛ばされた鈴木の機体は砂埃を上げながら地面に転倒。


『…流石だファフニール』


巻きあがった砂埃を左腕でガードしつつ鴉羽は自分に背を向けるファフニールを眺めていた。


――ィィィ…。


すぐさまファフニールは膝をついて、左アームを鴉羽の前に差し出し、コックピットを開きパイロットの搭乗を待った。


『ッ…!』


一瞬、頭を押さえた鴉羽。

そして左アームの上に乗ったと同時にそのアームは空いたコックピットの前まで動き、すぐさま鴉羽は乗り込んだ。

プシューッという音が鳴りコックピットのハッチが閉まる。


「…本当に摩訶不思議な機体だ」

「ですが、ある意味いい関係かもしれませんわ。パイロットとARMORの関係として」

「かもしれんな、ソフィー生徒会長」

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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