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第31話 ファフニールの本来の姿について

俺の身体が動かなくなって二日後。

その間、俺はずっと寝たきりで動けなかったが絶えず絶えずお見舞いに来た人が多かった。

クラスメイトやナンバーズに明楽がお見舞いに来てくれたのは正直嬉しかった。如何せん、医務室で一人で過ごしていると暇だし、ほんの少しだけ寂しかった。

それで、やっとの思いで身体が動くようにはなったが、二日間寝たきりで筋肉が固まっていたので軽いリハビリをして一日。

俺、復帰。


「んんー!あぁ…身体が動くって幸せだ」


ぐーっと身体を伸ばして、医務室から出ていく。

医師からも退院するって報告もしたし、退院してもいいって言われたから…大丈夫だろ。

にしても、俺にしちゃ治すのに時間かかったな。

元々、身体の体質なのかわからないが再生能力とか高いはずなのに全身の痛みは治すのに2日を要した。

さてと…とりあえず俺がしないといけないのはまずは職員室にいって一条先生に報告して、今度はナンバーズに報告。

例え今日が祝日とはいえ、報告はきちんとしないと…そう思っていたら


「…ん?」


ファフニールが俺を呼ぶ。

…今すぐ来てほしい、ね。

急な呼び出しは初めてではないが、どうしたのかと一瞬思ったが、そもそもファフニールと俺は会わないといけない理由がある。

前の戦闘で気絶した後に起きたこと、俺に伝えたいことがあるはず。

ただ、ちょっと待って欲しい。


「先に報告してから向かう」


とファフニールに話してから俺は駆け足気味に職員室へ向かっていった。


ーーー


「ふぅ…」


とりあえず職員室で休憩していた一条先生を見つけ、一応目が覚めたことと普通に戦えるようになったことを報告し、カルテも渡した。

それとめっちゃ心配された。どうやら噂話が曲がりに曲がって『一人で気絶するまで戦った』になっていて


『本当に無理はしないでくださいね?例え鴉羽君がパイロット科にいてARMOR’sでも不死身ではないんですから…』


と言われた。

勿論、分かってはいるが限度があると指摘したかったが流石にやめた。

それで報告を終えたのち、ファフニールが格納されている整備科の格納庫に向かいながらナンバーズのメッセージチャンネルに送信した。

ソフィー生徒会長も、八神さんも、アウローラさんの三人からは普通に心配していた事と謝罪をされた。何故謝罪を?と思っていたら想像以上に大型オールイーターに手こずり援護に行けなかったことで謝罪を…というわけらしい。

俺としてはしょうがないことだと思う。今でもオールイーター達の出現パターンや習性など未知な部分がかなり多い。

これから判明していくことを願いつつ、三人には『気にしないでください、しょうがないことです』と返信した。


「さてと…」


歩きながら色々やっているうちに整備科の格納庫に到着し、ファフニールの元へ歩いていく。

今日は祝日。周囲には誰も居ない。

みんな、羽を伸ばしているんだろう。

俺は羽を伸ばし切ってそろそろ空を飛びたいなって思ってたから丁度いい。


「ファフニール」


コンソールを操作し、シャッターを開けて格納されていた俺の相棒と対面する。

ファフニールから話を聞く前に、まずは整備だ。

かなりの時間の戦闘を行いファフニールも傷つき、俺も出血多量だったから、コックピット内が真っ赤になっている可能性がある。

と思い、格納庫内のコンソールに触れようとしたらコンソール内のメッセージボックスに一つ、未読のメッセージがあった。

それを開くと


「明楽…やってくれたのか」


相手は明楽からで内容は『整備はこっちでやっといたよ。今回も激しい戦闘だとファフニールの装甲の傷とコックピット内の惨状を見て分かったし、二日間頑張って整備したから目が覚めたら何か奢って』だった。

とても明楽らしい内容でかなりの時間がかかったこともわかった。

口で感謝を伝えてやりたいが、多分明楽は寝ているだろう。

後日、感謝を伝えつつ何かを奢ってやるかと思いながらコンソールを操作し、ファフニールの固定機器を取り外したのち、座り込みコックピットのハッチを開けたファフニールのコックピットに飛び移り、中に乗り込む。

それを確認したファフニールは立ち上がり、ハッチを閉めた。


「んで…ファフニールは俺に何を教えたいんだ?」


早速俺は三日前のことを聞き始めた。

私のもとに来てくださいと伝えた理由を。

すると


「…え?」


ファフニールのコックピット内のコンソールが起動し『結晶』のような管が伸びてきた。

これはリミッター解除の時の奴じゃなかったか?

けど、ファフニールはこの結晶の管を手首の輪に付けてほしいと言っている。

とりあえず、言われた通りにつけるとしよう。

伸びてきた管を左手で握り、右手首の輪に突き刺す。


「っ!?」


ドクンと心臓が跳ねる。

…俺と繋がったことを確認したファフニールは呼吸を整えて、コックピットの背もたれに体重をかけて欲しいと言ってきたので言われた通りにコックピットに全体重をかけて呼吸を整える。


「ふぅ…よし、言われた通りにしたがどうすればいい?」


次のファフニールの行動を待っていると急に網膜投影がスタートした。

ここで網膜投影をしても見えるのは格納庫の中しか見えないんじゃないかと思っていたが…。


「は!?」


俺が見えた景色は、格納庫のような壁や機器ではなく…『何もない空間』だった。

黒と白しかない世界に地平線が広がっている。ただそれだけの空間。

何なんだここと疑問に思っていたが、そんなことも気にせずファフニールは俺に説明し始める。

まず、蟷螂との戦闘時に気絶した後にファフニールがしたことは…まだ使えない専用アビリティを使用したとのこと。

ファフニールに専用アビリティがあることには驚いたが、それ以上に使えない理由があることにも驚いた。


「何で、まだ使えないんだ?」


…俺が耐えられない?

ファフニールの専用アビリティの負荷に俺自身が耐え切れない可能性があるという事。

けど、それはリミッター解除と同じじゃないのかと聞こうとしたが…どうやらそういうわけじゃないらしい。

リミッター解除は本来のファフニールの『スペック』を発揮すると同時に、ドラゴンスローンシステムで繋がった禁忌機体とパイロットの『繋がり』をより強固にし、動きやすくするための物。

だが、ファフニールの専用アビリティは…ファフニールの『本来の姿』にするためのモノらしい。


「今の姿が本来の姿じゃないのか?…違うのか、なら常にその本来の姿を」


と言おうとしたがそれはできないらしい。

その理由が…ファフニールがパイロットが居ないといけない理由に繋がるとのこと。


「教えてくれ」


そうしてファフニールはパイロットが居ないといけない理由を話した。

まず、禁忌機体でもパイロットが動かないことは普通の機体と同じ。

だが、ファフニールはパイロットが居なくても動くことは可能。戦う事も動くことも可能だが…


「…俺が居ないと動けない?」


ファフニール曰く、『俺』が居ないと動けないらしい。

それは黒い輪が付けられていないと動けないのかと思ったが、初めてファフニールと会った時、黒い輪が付けられていなかったのにファフニールは動いていた。

より分からなくなるが、ファフニールと俺は切っても切れない関係のようだ。


「んで、それが何で本来の姿を見せられない訳に繋がるんだ?」


またファフニールは語りだす。

ファフニールの専用アビリティは『俺が居て初めて使用が可能になる』とのこと。

同時にパイロットへの負荷がものすごく高く、慣れかドラゴンスローンに適応しなければ命に係わる。

現にファフニールは専用アビリティの使用を渋ったが、蟷螂と戦い続けた方が危険と判断し、同時に俺が気絶したおかげで専用アビリティを使用してもある程度の負荷に耐えきれると判断して、専用アビリティを使用した。

それを聞いてふと思い出す。


(治すのに二日かかった俺の全身の痛みは専用アビリティを使用の反動か…)


俺が動けなくなった理由はファフニールの専用アビリティの反動だとわかった。

確かに…ファフニールとのドラゴンスローンシステムで出血して、リミッター解除で死にかけた俺に専用アビリティの追い打ちは流石に死ぬ。


「…やっぱり肉体強化か」


前に言われた通り、より本格的な肉体強化も視野に入れるべきだな。

今回の蟷螂で実感したのは、大型オールイーターに対して俺は時間稼ぎしか出来なかった。

ファフニールの指示にも従い、自分でも考えて行動はしたが…最終的にはファフニールの専用アビリティで勝った。

勝ったことを喜ぶべきかもしれないが、パイロットの俺にとってはその事実がとても悔しい。


「頑張るか」


俺はファフニールと繋がっている管を見てそう思った。


「…そういえば、専用アビリティの名前と効果を教えてくれないか?」


一応、聞いておくことにした。

ファフニールの専用アビリティ…名前は『S(システム)/Overlord(オーバーロード)』。

ファフニールに付けられたリミットを外し、一時的に性能を向上させるが付属効果として機体構成を本来の姿に戻し、パイロットへの過剰負荷がかかるに加え、搭乗者保護機能が効果をなくなるというモノ。

うん…とんでもねぇな。

けど、極大メリットと極大リスクがあるが俺の肉体強化でリスクはいくらでも抑えられる。

俺が強くなれば、ファフニールも強くなれる。


「ファフニール…強くなるよ、俺は」


そういうと、ファフニールは『応援しています、頑張ってください』と励ましてくれた。

さて、聞くべき話も聞いたしコックピットから降りようとしたが…ファフニールがそれを止める。

何で?と思っていたらもう少し一緒に居たいとのこと。


「はぁ…今日だけな」


別にこれからやることもなかったので、俺はファフニールのいう通りにコックピットに座り、静かに過ごした。


誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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