プロローグ
先月末で会社からリストラされました。
俺は、大手商社の設計課に勤める、いや、勤めていたんだけど、取引先企業を怒らせてクビになりました。
最初は些細な行き違いだったんだけど、営業課がでてきて、こじれにこじれて俺の責任となりました。
仕事が無くなったので、住んでいたマンションを引き払い、郊外の一軒家に引っ越した。
それなりのセキュリティのマンションだったのだが、収入がなくなった現在、維持できないため築30年の一軒家を買った。マンション1か月分の家賃ぐらいで家が買えたのである。
早速、引っ越しを済ませ、ご近所さんに挨拶をして、この家を見て回ることに。
一階の居間、ダイニングキッチン、トイレ、脱衣場兼洗面所、浴槽、勝手口。
勝手口の鍵を解除して扉を開けると、「えっ!まだ部屋がある。」
キッチンから見ると、勝手口を出ると外のはずなのに???
おそろおそろ進んでいく。廊下を進んでいくと、居間に出た。
「どうなってるんだ?」
......「ここからは、ナビゲーションシステムがお答えします。」
「えっ!え....よろしくお願いします」
なんだかよく解らないが任せよう。
「まず、ステータス・オープンと唱えて下さい。」
「ステータス・オープン」
名前:トール 15歳 男
Lv 1
HP 100
MP 100
運 100
魔法:なし
スキル:ナビゲーションシステム。
加護:創造神の加護。
ボーナスポイント:1000
「ボーナスポイントを割り振ってください。」
割り振れと言われても、どこへ割り振ればいいのやら。
HPに振っても剣や体術などできないし、MPにしたって、まだ魔法を覚えていないので、割り振りする意味がない。
残るは、運に全振りすることに。
運を1100にして、こちらの世界の外へ。
家から外へ出ると、そこは街だった。
大通りに出ると、看板は直接には読めないが、ナビが看板に書かれていることを教えてくれる。
冒険者ギルドに、商業ギルド。
武器を持っていないので、とりあえず商業ギルドへ。
登録をお願いすると、簡単な計算問題の用紙を渡されたので、その場で回答。
満点にてFランクとなりました。
張り出されている取引価格を参考にして、持ち込む品物を吟味する。
今は、小麦が収穫されたばかりなので小麦は安い。
砂糖と塩は普通より高め。
後は、毛皮や宝石なども取り扱っているみたいだ。
残るは、通貨の価値だな。
屋台を見て回ったが、焼き鳥が1本・鉄貨1枚だったので、およそ100円かな?
などと一人で考えていたら、ナビが全部教えてくれた。
鉄貨・銅貨・銀貨・金貨。それぞれ10枚で繰り上がるみたい。
ここでおさらい。
まず、こちらで売る商品の選択、こちらで使えそうな武器?ナイフみたいなものを持ってくる。
レベル上げしながら素材売り?ってことは、冒険者登録も必要ってことだよなぁ。
一度にって言うのは無理だから、少しずつやっていきますか!