ストーカーの俺は、異世界転移に巻き込まれても案外うまくやっていける。
ある日ストーカーの俺は、少女とともに異世界転移に巻き込まれた。
俺にあるのは、今まで培ってきたストーキングと逃走の技術のみ。
彼女には……何もない。
「いやあるよっ! 見てよこの可愛らしい顔と麗しい姿、豊満な肉体を!」
「麗しいとか自分で言うなよ! お前のそれはただの脂だ!」
「うわひどい。いたいけな少女を豚とか言うんだ!」
「おいそこまでは言ってないぞ!」
「あんただってキレイな女の人をストーキングすることしかできないじゃん! 変態予備軍!」
「あんた言うな、歳上を敬え!」
「いいからさっさと〈仕事〉に行ってこいっ!」
へいへい……。
今日の〈仕事〉は――って、お、王宮に潜入!? そんなの俺にできるのか!?
「おいお前、手を貸してくれ!」
「……いくらお金入るの?」
「ひゃく、せん、まん……十万!?」
「よーし〈仕事〉にれっつごーっ!」
切り替えはやいな。
「なあお前、〈仕事〉の目的忘れてない?」
「んー? そりゃもちろん、家でぐうたらするため……」
「ちがうわ! お金貯めて現実に帰るんだろ!」
「――っそうそう! だからあんたには頑張ってもらわないといけないわけ」
「お前も働け」
「やだー……ってなにすんのようわちょっとどこ触って……!?」
仲が良いのか悪いのか分からない、俺と少女の異世界生活。
俺にあるのは、今まで培ってきたストーキングと逃走の技術のみ。
彼女には……何もない。
「いやあるよっ! 見てよこの可愛らしい顔と麗しい姿、豊満な肉体を!」
「麗しいとか自分で言うなよ! お前のそれはただの脂だ!」
「うわひどい。いたいけな少女を豚とか言うんだ!」
「おいそこまでは言ってないぞ!」
「あんただってキレイな女の人をストーキングすることしかできないじゃん! 変態予備軍!」
「あんた言うな、歳上を敬え!」
「いいからさっさと〈仕事〉に行ってこいっ!」
へいへい……。
今日の〈仕事〉は――って、お、王宮に潜入!? そんなの俺にできるのか!?
「おいお前、手を貸してくれ!」
「……いくらお金入るの?」
「ひゃく、せん、まん……十万!?」
「よーし〈仕事〉にれっつごーっ!」
切り替えはやいな。
「なあお前、〈仕事〉の目的忘れてない?」
「んー? そりゃもちろん、家でぐうたらするため……」
「ちがうわ! お金貯めて現実に帰るんだろ!」
「――っそうそう! だからあんたには頑張ってもらわないといけないわけ」
「お前も働け」
「やだー……ってなにすんのようわちょっとどこ触って……!?」
仲が良いのか悪いのか分からない、俺と少女の異世界生活。
第一話 いたいけな少女(自称)と俺
2024/08/06 10:11