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蠱毒の王  作者: つららの
3/11

第一話 開闢 ±0

プロローグから投稿日が開きましたが一話目になります。

アインの人生が始まります。

神暦5024年

冬暁の中、俺は産声をあげた。らしい。


東の穀倉地帯シュタウフェン領を治める伯爵家、そこの次男として俺は生を受けた。

伯爵と言っても、我が国、ティーゲル帝国直属の上級貴族ではなく、下級貴族としての伯爵だ。


2歳を過ぎたころ俺は、前世の自我に目覚めた。


「ここはどこ、、?」

(アウアウワァ、、?)


ん?上手く喋れない?


「あら?今何か喋ろうとしたのかしら!奥様に知らせませんと!」


うぉ、バタバタと誰か出て行った、、?

にしても、天井高いなぁ


ドタドタ


足音が近づいてくる、さっきの人が『奥様』つまり俺の母親を連れてきたのかな?


ガチャ


開いたドアから現れたのは、金髪碧眼、ゲルマン系の顔立ちの若い女性だった。


「アインさん?私がわかりますか?お母さんですよ!」


母はそう言いながら俺を抱き上げた。


この人が俺の母親か、すごい美人だなぁ。

いやいや、母親にその感想はおかしいか。


「あらアインさんいつもより元気がないのかしら?身じろぎもしないでされるがままですし、、」


やば、怪しまれてる、、

ちゃんと赤ちゃんっぽい反応しないと、、

って言われても赤ちゃんっぽい反応ってどうしたらいいだろう。話すようになったのを見に来たみたいだし、少し喋ってみようかな?


「アウワウワァ」


「テレーゼ!今アインさん喋りましたよね!?ね!?」


「奥様!確かに今、お話しになられましたわ!」


そんなに驚く!?


「あぁ、アインさん2歳になっても全然喋らないのでみんな心配してたのよ!やっとおしゃべりできるようになったのね!!」


なるほど、自我の目覚めが遅かったから発育が遅いのかと心配されてたのか。


「テレーゼ!今日はディナーでお祝いしましょう!」


「かしこまりました!」


おいおい、そんなに喜ぶことでもないでしょうに、、


そんなこんなで俺はこの世界で目覚めた。


シュタウフェン家は領主で伯爵の父クラウス、陽気で子煩悩な母アンネ、長男アロイス、長女クリスティーネ、そして次男で末っ子の俺アインで構成されている。


下級とはいえ貴族家に生まれ、現代とのギャップに四苦八苦しながらも、俺はとても良い環境に生まれ成長していった。


現代と中世の文化のギャップもさながら、前の世界とは違う、この世界独自の驚きもあった。


この世界で人族は皆、教会で身体機能や技能を可視化した『パラメータ』というものを見ることができる。

また、神への信仰からなる『奇蹟』、体内のセレマを利用した、人の身が為せる奇蹟『魔術』という概念もある。

ゲームで出てくるスキルみたいなものはなく、人の技術は全てパラメータの『技能』欄に『習熟値』とともに記される。


努力の成果が目に見えてわかり、貴族の次男に生まれ、家を継ぐ必要もなく、なりたいものを目指せる環境。第二の人生を送るには最高とも言える世界だ。


そんな世界で俺は14歳になった。


兄は家を継ぐための教育を受けている。お世辞にも天賦の才があるとはいえないが、優しく、直向きに努力できるとてもいい兄だ。


母譲りの美しさと、愛嬌を持つ姉は15歳の頃、帝都近郊の貴族の家に嫁いで行った。幼い頃は小麦畑を駆け回る奔放な少女だったが、みるみると淑女に育った。


そして俺は、帝国内の文官になる為の教育を受け、前世と変わらない、高い地位に着くルートを順調に進んでいた。


そう、前世と変わらない、誰かに敷かれたレールを盲目に進み、己が意志なく階段を駆け上がっていた。

自己満足がやっと一話に辿り着きました、、


長々とした文章にお付き合いくださいありがとうございました。今後も二話三話と投稿していきますのでお付き合いくださると当方喜びます。

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