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徒然なるエッセイ 一覧

レシピは消えゆくものだから

掲載日:2023/02/07

 おばあちゃんの手は魔法の手。

 冷凍庫は宝石箱。



 オラ、アミーゴ!


 三屋城です。


 今日はおばあちゃんと私の、おはなし。




 昔々。

 覚えているのは朧げなおばあちゃんの手元と、冷凍庫から取り出され、切り分け焼かれ、チン! という甲高い音と共に止まったオーブンから出てくる、ほかほかとしたキツネ色のクッキー。


 食べたくなったら、


「クッキー食べたい!」


 という一言を口にすれば出てくる。

 それは魔法のクッキーでした。


 ほろほろと。

 ざっくりして。

 コクがあってあまぁい。

 バタークッキー。


 どこのレシピかはわかりません。

 おばあちゃんは、書き留めたメモを見ながら作っていました。


 型抜き不要の、今でいうサステナブルで作ったら丸ごとご馳走になる。

「米粒残したら目目潰れるよ」が口癖のおばあちゃんのクッキーは、食べたいときに食べたいだけ食べられるのも、魅力。


 大好きでした。




 けれどもう、今はどこにも存在していません。

 作り手がこの世には永久不在になってしまったから、です。

 レシピも、捨ててしまったのか遺品整理の時に見つけきらなくて。

 不明のまま。


 大好きだった味は、頭の中だけで反芻され咀嚼するものになってしまいました。

 アイスボックスクッキー、という名前がついていることを知って、作ったこともあります。

 けれど、配合が違うので、同じ味にはなりませんでした。


 こんなことなら、レシピを教えてもらっておけばよかったなぁと、後悔しきりです。


 なのでもしこれを読んで、気に入った味があるって人は、何かの折にでもお相手の方に聞いてみてもらえたらいいな。

 と勝手に思っていたり。


 もちろん、レシピがなくとも受け継ぐことのできる思いはあるって、私はそう思っています。

 けどどうせなら、味も継いで、そしてさらに進化させたり変化球にしたりしながら、また次世代に繋いでゆくのも、楽しそうだなぁ。

 そう思う私です。




 ちなみに。

 うちの母が昔辛くない白い麻婆豆腐をよく作ってくれていて。

 これは受け継ぎたい! と思って聞いたのです、レシピ。


「そんなん作ってた?」


 ちょ、ド定番ド定番!! お母様いっときよく作っていたよ??


 ……まぁ、こうして欠番となるレシピもあります。


 気に入った味はできるだけ長く味わえるように、自分でも作り方を知ってみる。

 オススメです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 思い出の中の味、あるなぁと思いながら読ませて頂きました。 家庭の味もそうなんですが、昔通ったお店の味とか、リニューアルして全然味が変わってしまうととても寂しい気持ちになります。 味覚って記憶…
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