プロローグ
太陽の巨大フレアが、地球を襲った。
世界中が停電してしまい、復旧に数ヶ月からひどいところになると1年以上も時間がかかった。
復旧が進んでくるにつれて、人類は思っている以上に危機的状況だとわかってきた。特にコンピュータ関連や通信システムの被害は甚大なもので、多くのデータが失われた。
位置情報を教えてくれる衛星も故障して復旧できず、航空機・船舶の運行もひどく困難なものとなり、物資の輸送が滞り、深刻な食糧不足が人々を苦しめた。
食料をはじめとする物資の不足や情報不足は疑心暗鬼を呼び、治安の悪化とともに人々の不満が爆発する。そして至る所で小さな紛争が起こるようになり、世界中の主要都市は廃墟となっていく。
それなのに紛争が小規模のままなのはコンピュータ制御の兵器が役に立たないからである。
世界中で行われるゲリラ戦は確実に人類を疲弊させた。文明の後退が抑えられず、人類はゆっくりと滅亡へ進んでいくように思われた。
資源の多くを輸入に頼っていた日本では、フレア直後から深刻な食糧不足とエネルギー不足に陥った。ただ、島国であるために他国からの攻撃が少なかったのは幸いであった。
それでも治安は維持できず、混乱は大きくなり人々は絶望したが、奇跡的に政治がリーダーシップを取り戻す事ができ、国民の心はある程度安定した。
人口を4分の1まで下げながらも、国民は不自由な生活を耐えた。
そしてフレア災害から35年後、人々の生活が落ちいつき始めた時日本政府は大胆な行動に出る。
日本は鎖国を宣言し、国境を完全封鎖したのである。




