序章・2人の英雄の話
勇者の師、堀北 美月。
世界を救った、2人の英雄の話をしよう。
この世界、『ミレイトス』には人族、亜人族、そして魔族が共存していた。
しかしいつしか、人族、亜人族対魔族という対立関係が出来てしまい、敵対してしまっていた。
魔族は強く、人族、亜人族を脅かす存在となって、たびたび領地を巡っての戦争が起こった。
だが2人の英雄によって人族、亜人族、そして魔族は元の共存できる状態に戻った。
まぁ英雄といってもどちらも成人にすらなっていない少女である。
その2人の名は……そうだな、あえてここでは池田 花蓮と………堀北 美月と呼ばせてもらおう。
前者の池田 花蓮……彼女はまぁ、なんだ、『勇者』と呼ばれる者だ。まぁそれも作為的に、だが。
日本という国から私が召喚した。この世界を救ってくれる存在として。
しかし、本当は召喚されなくてもいい少女だ。……………………………………堀北 美月がサボらなければ。
堀北 美月……まぁ呼び方がない。あえて言うと『異端児』である。
堀北 美月については……実際に彼女の人生を見てもらった方がいい。
あそこに望遠鏡がある。あそこを覗けば彼女がどんな人間だったのか、知ることができる。
ただし先にひとつ言っておく。
堀北 美月の人生に私は一切関与していない。『勇者』と違って私は彼女になんの能力もあげていないし、私ですら彼女が果たして何者なのか未だにわかっていない。
まぁ見るには充分に注意してみてくれ。
んっ?最後に私は誰かって?
私はこの世界の神、ミレイトスだ。
私からはもう語ることは無い。『百聞は一見にしかず』と日本の国の言葉の通りだ。
さぁ覗いて。