竪琴の調べと七色の蝶々
ある時、私は夢を見た
――いや、自分では夢でなく現実であるといっても、他者は信じず違うという
だから夢と表記しただけで実際はまことにあったことである――
それはさておき、その場所では摩訶不思議な事が起きた
起きたこととあれはやはり夢でないと皆に知らせるために少し書き留めようと思う
それは、そう竪琴と蝶々のある世界のことだ……
何処からか、聴こえてくるは竪琴の美しき音色
何処からか、舞い降りたるは清げなる数多の蝶
奏でられし音色は私の心を揺さぶってやまぬ
何からでたのかもわからず
ただ一筋、また一筋と泪が流れた
それが地に落ちる前に、蝶が私を包み込んだ
雫を受けた蝶は七種に輝るものへと変わった
やがて蝶は何処かへ飛び去り、音色は聞こえなくなった
それでも、確かに我が心の中にある
喜怒哀楽やそれ以上の感覚を持ち、心を叩くあの竪琴音色の調べ
苦しみや悲しみを共にしあう虹色蝶々の華麗さ
私は忘れることは無い
あの素晴らしく刹那にして永遠の時間を――
どうだろう
これを夢だと嘲笑するか事実だと受け止めるかはあなたにお委ねしよう
ただ……なにか思うところあるならば教えていただけるとありがたく存じあげまする