6. 初戦闘
6. 初戦闘
Side:アキ
異世界に転送されたら森の中だった。女神様、放置した仕返しはハードモードですか?
森の中に光が射してるから日中だと思うけど、どーすっかな。
「まずは………食料確保?」
「アキそれも大事だけど、まずは現状確認からにしよう。2人は食料何持って来た?」
荷物を漁って、再確認。
「俺はパン2つと1ℓのペットボトル1つだな」
「俺もパン2つと500のペットボトル1つと飲みかけ1つ。後はポッ○ー1箱に12個入りのチョコが1箱だな。ユウは?」
「俺はパン3つと、500のペットボトルが1つ」
切り詰めれば2・3日は何とかなりそうだけど、早めに水分と出来れば食料を確保したい。
まぁ、村とか見つけたら問題無くなるんだけど。
「次に食料以外か。俺は服とスマホだけだな」
「俺は服とタオル類だけだけど………アキ、こっちじゃ電子機器使えるかわかんねぇだろ。
壊れるかもだし、何で持って来てんだよ」
「トモ、俺が何の為に来たのか忘れたのか?コスプレ用の服を手に入れる、その為の画像サンプルだ!」
「………何で男らしく言い切ってんだよ。ちなみにオカズ用の動画とか入ってるからじゃねーよな?」
「………そんなわけねーだろ」
「また彼女に泣かれんぞ」
「帰るまでには消すから大丈夫だろ」
「おい、こっち見て話せ。はぁ、まあいいけど。ユウは?」
「俺も服と、スマホ………スマホは置いてくんの忘れてた」
「それならしゃーないけど、充電とかどうすんだ?使ってなくても数日で電池切れじゃね?」
「そうだよなー。よし、女神様に頼んでみるか。
女神様ー充電器おくれーーー!!!」
「そんなん無理に―――
《ガスッ》
「オウフッ」
俺の脳天に衝撃が。何が起きた?
蹲った足元にあったのは―――ソーラー式の充電器?
拾ってドヤ顔でトモに見せつけてやる。
「うそん。あの人ノリ良すぎやろ」
《ピロリロ》
「ん?何か受信した?」
怪しげな関西弁を喋ったトモを放置して、電波が来てないはずなのに受信したメールを確認。
『イリスより
緊急時の連絡用です。
いかがわしい目的で使用した場合、データを消去致しますのでご注意下さい』
って。
「生殺しかよぉ!!!」
有るのに見れない。血涙を流す勢いで俺は叫んだ。
「後は戦力確認くらいか?」
「………そーだな」
魔法が使えない上に、秘蔵フォルダを封印されてやる気が出ない。
フイッと向けた視線の先、丁度いい大きさの岩が有った。上面も平坦に近いし、2人の話し合いが終わるまであれに座って待つかな。
「ん?」
歩き出す視線の先で岩に異変が、動いてる?
立ち止まって観察すると、岩自体が動いたわけじゃ無かった。その後ろから液体がせり出してきてる?
蠢いていた液体が静まると、岩の上には饅頭型になった液体と、その中心に浮かぶ5cmくらいの球体。あれは―――
「………スライム?」
「「スライム?」」
2人がこっちを見たので指でスライムを示すと。
「そんじゃ魔法使ってみようか」
「じゃートモに任せるわ」
とのこと。俺も模造刀で切ってみたいんだけど。
トモが目を閉じて集中。紡がれる詠唱は―――
「天光満つる処に―――
「何やってんの」
《スパン》
「あいたっ」
ユウに頭叩かれて、止められてやがる。
「何で止めんの?」
「雑魚っぽいスライムに何で秘奥義使おうとしてんだよ………」
「だって、テイ○ズだとあれがエフェクトカッコいいし。1番好きだから」
「試し打ちだから火球とかでよくね?」
「ロマンが無くね?」
2人ともゲームの話題で盛り上がってやがる。俺RPGよりアクション派なんだけど。
三国○双とか。
そんなわけで、スライムさんに突撃。
俺のロマンはこっちだな、
ゲームでは横薙ぎだけど、今回は振り下ろしで。
「唸れ!天○の刃よ!」
核っぽい球体を目指し、模造刀を全力で振り下ろす!
振り下ろした刃は液体部分を通り、核を断ち切り―――
《ガキンッ》
「っつーー、痛てぇ」
そこで止めきれず、岩に当たって手が痺れた。
「「ガキン?」」
2人がこっち向いた。………やべぇな刃が一部凹んでら、何て言い訳しよう。とりあえず。
「ごめん」
ちょっとだけテイ○ズと三国ネタです。
知らない人は読み流しで、知ってる人はニヤついてくれてたら嬉しいかなぁ。