表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男3人の異世界旅行記  作者: 知吉
2/45

2. 方向性

2. 方向性




Side:ユウ


 俺達は車で旅行していたら女神様に異世界へ拉致られたらしい。

 人見知りな俺はそんなに話せないし、トモとアキがいい感じに結論出してくれるまで聞き専だなー。





「皆様には世界の導きをお願いいたします」

「分かりました女神様!!!」

「アキ、とりあえず落ち着け。了解すんのまだ早いから。

 それで、導く手段と方向性はあるのですか?」



 アキの奴、即答しやがった。どう見ても興奮してんなー。



「はい、どちらもあります。ありますが―――まずは土地を巡り、様々なものを見て聞いて、貴方達もどうすればいいか答えを出してから決めませんか?」

「………分かりました。それと、これが終わったら元の場所、時間に戻ることは出来ますか?」

「そーだよ。俺、嫁さん置いてきてんじゃん!来年に式挙げるから、それまでに帰してよ女神様!!」

「アキ、ごめん話が逸れるから、もうちょい静かにしといて」



 帰りについてか、この状況でもしっかりしてんなートモの奴。

 アキは……うん。とりあえず爆発してくれたらいいと思う。



「ええ、元の場所・時間に戻っていただくつもりですが――



 ですが?何、制約とかあんの?



――怪我による傷跡や、それによる死亡は戻しようがありませんので、ご注意して下さい」

「まじか……安全とは言えない旅行か。自衛の手段はどうすればいいですか?」

「各々で努力していただくのと、魔法みたいなものが使えるかと思います」



「「「魔法!?」」」



 おおう、つい声に出したけど……魔法か、俺もついにファンタジーの世界に行けるのか。



「ちなみに魔法の適性とかあります?」

「ええと、使えるのは―――トモ様とユウ様ですね。アキ様は残念ながら適性が無いようです」

「マジかよ、俺も魔法使ってみたかったのに。………俺のファンタジーが遠のいていく」

「何か条件でもあんのかな?俺ら二人が使える理由って何だろ?」



 トモがこちらを見たので俺も考えてみるけど………年齢は同い年だし、背格好もそんなに違わないよな。

 住居かな?俺とトモは九州の実家だけど、アキは関東で彼女と二人暮らしだし………

 それとも体重かな?俺らも引き締まってるわけじゃ無いけど、温泉で見たアキは腹だけダルンダルンだった気がするし。それとも―――






「童貞だからじゃ―――

「「ガハッ!!!」」



 突如女神様から言われた一言、何で知ってんだこの人。

 全身から気力が抜けていく気がする。

 そして、崩れ落ちる俺とトモ。




「27にもなって彼女居ないのが悪いのか!?

 仕事が忙しいし出張多いし出会い無いし。

 人見知りだから上手に話せないし、そもそも女性と話した経験少ないし。

 給料安いし休み少ないし。

 仕事終わってオッサンと飲み会ばっかしてたのが―――



 ブツブツ愚痴ってると、ポンと肩に置かれる手。



「向こうに行ったら、お前らにも色んな出会いがあると思うぜ?」



 ハッとして顔を上げるとアキが―――イイ顔して笑ってやがる。





「「死にさらせこのリア充がーーー!!!」」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ