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心が傷ついたときには

作者: 菜の花
掲載日:2026/02/09


涙は血でできてるらしい

それなら

僕が涙を流したら

それは目から血が出てるってことなんだから

頭を撫でてくれたっていいじゃないか


涙でぐちょぐちょの僕を

くすくす笑うんじゃなくて

濡れた頬に雨を落とすんじゃなくて

せめて

僕の目の前でその靴音を止めておくれよ


心に傷がついて

夕陽みたいな血が出たって

誰も気づいてなんかくれないから

目から涙を溢すんだろう


血が出たらみんな

びっくりしてしまうから

代わりに

綺麗にした透明の涙が流れるんだ


透明の涙は頬を伝い

じわりとアスファルトを染める

赤じゃない黒だ


黒い染みを

みんな避けて歩いてゆく

自分は濡れたくないから

少しも触れようとはしない


時間が経てば

黒い染みは地面に溶けて

なにもなかったかのように

元の色に戻る


そうすればもう見えないから

みんな避けることなんてせずに

僕の涙を踏みつけてゆく

涙の染みに気づかずに

日常を歩み始める


ひとつふたつ増えてゆく

黒い染みは僕しか知らない

ひとつふたつ溶けてゆく

涙の跡は真っ赤な道だ

ご覧いただきありがとうございました。


涙は血でできているらしい。


誰かに届きますように。

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