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やんちゃな猫を助けたら、巻き込まれて異世界に来たけど、帰る条件が"恋"ってどういうことですか!?(まきこい!)  作者: 麒麟
第2章 勇者は召喚後がいそがしい

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属性判断…生活魔法でできます

「さて、と」

ぱん!と大きな音を手をたたいて響かせてジーンが菜月を見た。

「なんか、ピリピリしてない?」

「してないよ」

「ホント? 朝、あったばかりなのに冷たいよ」と菜月はうつむき加減で目をこすった。

「あ、猫の方がうまいから、止めておこうか」

ジーンは冷たく注意を行う。

「…属性って、ステータスでわからないの?」

「推理できるだけかな。器用な人は属性に関係なくいろいろな魔法使うしね。ちなみに、いまからするのはそれ。生活魔法とも言われているやつね。戦闘には不向きだけど、めちゃくちゃ大事だから、まじめにお願いね」

「……真面目に全部取り組んでいますけど」


「最初にするのは火の属性確認。町の外に出れば、必要になるから、属性に関係なく覚えて」

「…覚えるんだ」

「自分のために、日々鍛錬するが大事だね」

ジーンは、そう言ってほほ笑んだ。

「指を一本立てて。その先に灯がともる感じでイメージして、『スモファイ』って」

ジーンは、いろいろと考え方が、特別な言葉をつけるのはやめた。

単純にできるを前提に、調整をするほうが、自分自身のストレスにならなくてよい、と判断した。

「『スモファイ』?」

ぽっと菜月の人差し指の先に火が灯った。本当は詠唱が必要とされる初級火属性魔法なのだが。

「できた…」

「うん、それで薪などに火をつけることができれば問題ないから、あれね」

ジーンは、部屋の隅に置かれている薪を指さした。

「同じでいいの?」

「ええ」

菜月は楽しそうに薪に駆け寄り『スモファイ』と口にする。

指先に灯る火は薪に火をつけない。

「あれ」

「指先から飛んで移るイメージを持って」

「あ、うん。『スモファイ』」

菜月の指から火は薪へと移った。その次の瞬間、爆発した。

飛び散った薪には火がついていた。部屋のいたるところで。

「菜月さん…どんなイメージ?」

「火がボッと?」

「それ火事だからね。水のイメージで消そうか」

「あ、うん」

二人の視界の外では、ポポがシーナを咥え、部屋の中を駆け回っていた。

飛び散る火の粉を避けるように。

火の粉が落ち着くとポポは元の位置へ、気を失っているシーナを返し、何事もなかったかのように小さくなって、足の上にふわりと落ち着いた。


「えっと『レイン』?」

「正解とは言えないけど…」

ジーンは、菜月が口にした魔法に苦笑した。

詠唱を教えていないだけではなく、魔法の名前すら教えていない。

魔法は、その名を呼ばれることで発動する。それに例外はない。

音にしなくても、頭の中でイメージ化する必要がある。

より正確にかつ適切に使うために詠唱を必要とするが、これもイメージが確立されていれば不要だ。

室内に急に雨が降り出す。

薪についた火を消すために。

そして、雷が鳴った。光が部屋の中を水平に奔り、ジーンは咄嗟に床に飛び伏せた。

「あれ…」

「雨のイメージに雷入っているでしょ?」

「あ、うん…ごめん」


「乾かせる?」

「火で?」

「この水浸しの中で火は無理でしょう」

ジーンが呆れ顔でいう。自分はともかくシーナは乾かす必要が…なんで気絶しているの?

「えっと…『ヒート』?」

いきなり室温が上がり、濡れていた床も壁も乾いた。

「奈月!」

「えっ…」

「床に焦がされるよ」

「ああ…と、『クエイク』」

「地震?ちょっと、何」

「えっと、床にいたら危ないと思って」

「余計に危ない!」

「で、『デザート』」

「部屋出るよ」

「えっ、あ、ポポ!」

ジーンは、黒猫を一瞥すると先に部屋から飛び出した。

それに、菜月が続き、砂漠のような灼熱の場とかした部屋からポポがシーナを咥えて飛び出してきた。


「熱中症になるぞ!」

「ポポ言葉」

「言ってる場合か!」

「え~、『ウインド』?『リバー』?」

「えっ」

ジーンが慌てて立ち上がった。

その瞬間、どこからともなく鉄砲水が廊下を水浸しにした。

「さむっ」

続けざまにトップが吹き抜けた」

「「菜月!!」!」

ジーンとポポの声が廊下に響いた。


服を絞りながらジーンがポポに声をかける。

「にゃぁ~」

「…いやそれいいから」

「…なんだ?」

「あなたこそ何?」

「菜月のペットでかわいい猫」

「………」

ジーンの白い目がポポには痛い。

「猫は喋らない。従魔契約しているわけでもないのに」

「猫にもいろいろあるんだ。千年も生きてればな」

「えっ?」

「って、それが聞きたいのか?」

「彼女のこと」とジーンは菜月を指した。

「異世界からの転生人」

「知っているんだ」

「まぁ巻き込まれたから」

「あ、え、あ、そうなんだ。かわいそうにこんな危険な世界に」

明らかな同情的なまなざしにポポは言葉を飲み込んだ。

かわいそうな存在のほうがやさしくしてもらえそうだ、と。

「いや、そうじゃなくて」

「ん?」

「魔法のこと」

「使えたね」

「うん、使えた。じゃなくて!」

「なんだよ。起きるぞ、これ」

と、ポポは、シーナのおなかの上でゴロゴロする。

「サイズ変えれるのは問題なんだけど」

「菜月のこぼすマナで」

ポポはニヤリと笑って見せた。

「魔獣…」

「神獣!! マジで泣くぞ」

「………」

「いや、マジで」


「仲良くなったんだ」

「菜月のおかげで」

「そう、よかった」

「被害者同盟!」

「えっ?」

「次の確認は外の広場でね」とジーンはため息交じりに言う。

にゃぁ~とポポは楽しげに鳴いた。

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