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やんちゃな猫を助けたら、巻き込まれて異世界に来たけど、帰る条件が"恋"ってどういうことですか!?(まきこい!)  作者: 麒麟
第1章 それって…召喚?それとも転生?

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女神さまのおちゃめ

菜月は光あふれる世界に迷い込んだ。

光の粒子が自分の周りを巡回するように飛んでいる。

さっき迷い込んだ自分の中、精神の世界とは違う冷たさを感じていた。

サラスは言っていた。

この世界、ラディウムの構成元素で体を再構築するという。

と、いうことはいまのこの姿、自分の世界のままの姿は、仮初のものだったということになる。

もしかしたら火の玉がぽっかりと浮いていただけかもしれない。

そんなことを考えていると、身体に変化が訪れた。

白くすらっとした手足。きちんと食べていますか?と尋ねたくなるボディライン。

顔を確認することはできないが、頬の感じからはシュッとしている気がする。

身長も、少しは高くなり、胸もたわわになって…いない。気持ち1カップ大きくなった程度か。

【しっかりと足元を見て】

【えっ? あ、ポポ】

菜月は、声のする頭上の方を見てつぶやいた。

【足元!】

【どうして?】

【狭間に落ちたら異空間に閉じ込められるよ】

【えっ? 情報の提供遅い!】

【ごめんよ…】

【いいよ、そのために来てくれたんでしょ?】

【まぁ、送り届けたら帰るけどな】

【うん、ありがとう】

菜月は、顔を足の方へと向けた。って魔法陣が3つある。

【ど、どれ】

【どれでも】

【そんなに適当?】

【時間のずれだけ、ただ複数の魔方陣には触れないで】

【…別の次元に分かれて召喚される?】

【これについては…】

菜月は、魔法陣の上に無事に下りた。続くようにポポが。そして――


「気楽なものだな」

レオン・イグレインは、ルシアナと幸太郎を扉の隙間から眺めながら呟いた。

「でも、勇者のようで」

大神官ダレス・ジーンは呟くように応えた。

幾分、気持ちが楽になっていた。

異世界召還は神職に大きい負担を与える。

普段、神殿を蔑ろにするにもかかわらず、有事には力を強要する。求めるわけでもなく。

魔法陣を作り維持することの困難さをレオン以外の王族は解っていない。

いや……理解する気すらないのだろう。

かろうじて聖者としての職業カテゴリーを持つルシアナ姫ですらマナを練る重要性を理解していない。

個人の鍛錬ですら大変なのに、他人とマナを通してエネルギー循環がそれ以上に大変だと思うことすらできない。そして、そこにどれほどの危険が伴うのか、考えようともしない。

複数の魔術が一つの魔方陣を組むとき、『旋律を編む』という。

それは流れに乗るだけでは魔法陣を維持することがかなわないことを示している。

ただでさえ、困難なのに…ルシアナの音痴な旋律に、自分たちの旋律を合わせる必要がある。

召喚にかかわる神職が増えるほどに何度が上がっていく。

たしかにマナの枯渇は、命の危機に関わるわけではない。

力がある者ほど、危険度が増していくことを、今回かかわった神職たちは知らない。

その覚悟がある者たちは先の召還で倒れたままだ。

魂に刻まれた旋律が、もう二度と元の調べを奏でなくなる。そういう類の危険がある。

願わくば、あたら若い命、無事に戻ってほしいとは思う。

「すまないな」

「いえ…」

「マナとは、魂とこの世界を繋ぐ糸のようなものです。一度それが擦り切れてしまえば、たとえ生きていても、“この世界にいる”とは言い難い。神職に生涯をささげると誓った者たちであればなおのことです」

「ああ、できる限りのことはしよう。腐った果実が落ちるを待つ暇はなさそうだが…」

レオンの目に明らかな殺意が宿る。どれほどの言葉を投じても国王には伝わらない。

あまつさえ姉であるルシアナの伴侶に王位を譲る計画も進行させている。

王位などどうでもいいが、国民の命を危険にさらしている自覚のなさに反吐が出る。

出奔するのは大したことではなくても、この国の騎士団の要である以上、混乱をきたすのは避けたい。

行動するのなら、魔王討伐がかなった後になるだろう。

「レオン様」

「えっ?」

ダレスの動揺する声にレオンは振り返った。

魔法陣が現れた。

金色の光を放ちながらくっきりと勇者が召喚された場所に寸分くるいなく現れた。

そして、先と違うのは、床から天井に向けて白銀の光が、柱のようにあがっていることだった。

「ダレス殿」

「転生召喚」

「えっ」

「元の世界で命を奪ったうえでの召喚…」


「わっ、たっ、あ」

菜月は、急に床が表れて焦っていた。

落ちたはずなのに床がある。

いや感覚的には足から再構築された?そんな奇妙な感じがあった。

「あっ」

菜月がレオンに気付いたようにレオンも菜月に気が付いた。

そして、菜月のボロボロの服に申し訳なく感じていた。

召喚という拉致のように連れてきたうえに、馬車に引かれたような様子に。

命を奪ってまで連れてくることに意味があるのか、自分の身内がしたこととはいえ、いますぐにでも殺してやろうかと思ってしまう。

「えっと…」

菜月が話しかけようと瞬間、空から黒い物体が降ってきた。

「ポポ…」

手で受け止めた刹那、大量の水が降ってきた。

ぶっはぁっ。


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