4.魔王の執事は苦労人
「人族の女性と恋をする、ですか」
魔王の決意表明を反芻するレイン。
(はぁ、古株の魔族達の耳に入ったら、どうなることやら……)
そして、少し困ったように呟く。
「しかしながら、魔族領やこの城の管理はどうするのですか?
もし、魔王様が不在と知られれば、混乱や反乱が起きてもおかしくありませんよ」
「ふん、問題はない。ほんの少しの間だけだ。良さげな雌を見つけたら、すぐに我と共にこの城に連れて来てやろう!」
それはそれでまた別の問題があるのでは、
とレインは思ったが、口出すのをぐっ堪えた。
「それに、レインが我のかわりをしてくれればよいではないか!
確か偵察のために、見た目や声を変える魔術を開発しておったであろう?」
「まあ、そうですが……」
「ならば、問題はないな!
よし、それではレイン!頼んだぞ!」
そう言って、魔王は面倒事をレインに押し付けて、すぐさま適当な町に転移しようとした。
「ちょっと待って下さい。」
……が、レインによって阻害されてしまう。
「……何をするのだ?」
「はぁ。全く、仕方がありませんね。
魔王様が人族領まで行くというなら、
私もお供致します。
私は人族についての見聞も深いですから、
きっと魔王様のお役に立てることでしょう。
……この城の管理につきましては、全てこの私にお任せ下さい」
レインは魔王を説得することは諦め、
なるべく大きな問題が発生することが無いようにサポートすることに決めた。
……まあ今までの経験上、何かしらの問題は起こってしまうのだろうと、半ば確信をしているが。
「それでは、私は人族領へ行くための調節や準備を行いますのでしばらくお待ち下さい」
「うーん、別に我一人だけでも良かったのだがな……まぁ、よいか。
それでは、我も準備をしてくるとするぞ!」
そう言って魔王は、意気揚々と自室へと向かっていく。
(……はてさて、どの町に転移するのが一番いい選択なのでしょうかねぇ)
何処が一番スムーズに事を終わらせる事ができそうかな、と考えながら魔王の後に続いて
レインもトボトボと部屋を出ていく。
ギギギギギィィ……ガチャン
…………魔王様の執事はそれはそれはもう大変な、"苦労人"である。
とりあえずおはようございます。ニ野二条です。
記念すべき、2の2じょう番目のエピソードに目を通して頂き、誠にありがとうございます。
はい、いつもよりもかなり短くなってしまいましたね!すみません!
さて、こんなに短かい文章でしたが、レイン様の苦悩は少しでも伝わったでしょうか?
彼は魔王の良き理解者で優秀な人材であるが故に、
こき使われてしまう始末……。
こんなに頑張っているレイン様に、はたして、幸運の女神は微笑んでくれるのか!?
次回以降に乞うご期待です!!
それではまた!!




