夢とスマホ
お越し頂き有難う御座います。
皆さんは夢を見ますか?
今回、夢を描写するために3/5程、使いました。
脈絡のない意味不明な文章を読みたくない方は
一行段落を開けている部分まで飛んでいただければ
前回の物語の続き、アリシアの日常に戻れます。
他人の夢を覗いてみたい、そんな風に思われている方は
一行目から読んで頂けると嬉しいです。
PSの古のゲームLSDをご存じの方は
狂気が薄まりグロを抜いた近しい雰囲気を楽しんで頂けるかもしれません。
それではお好きな方へ、お入りください。
私は1Fの多目的教室でガスを吸い込み倒れた。
気が付けば私は保健室へ向かっている。
何故か保健室を素通りし自分の教室へ戻ろうとする。
階段は螺旋階段となっており二個飛ばしに上って行く
背後から追ってくる者が居る
抜かされてなるものか。変な意地が出て、私は階段を上る速度を速める
ここは学校?
2Fに到達すると同階の学生で賑やかだが
私は周囲を確認せず上の階へと上る。
階数の割にはとても長い時間階段を上ってきた気がする。
3Fへ到達する頃には背後の私を追い越そうとする者はいなくなっていた。
私のクラスは一つ目だ。教室の引き戸を開け中に入ると異様な雰囲気だった。
クラスメイト全員が知らない顔しかも年齢がバラバラだ
ただ制服は同じだが、制服が似合わない年齢の人もいる為、私は戸惑う。
でも声をかけられず10分ほど立ち尽くしたまま経過した。
私は問う。「あなたたちは誰?」
皆聞こえてないかのように振舞う。まるで無視されているか
私だけが皆を認識で来ていて皆は私を認識できていないのか。
誰かと会話をする者。何かをしている者。ぼーっとしている者。
ここは何なんだ!私の頭は混乱する。
すると突然、扉から変な者たちが雪崩込んでくる。
頑丈な頭笠を被った巫女。陣笠を被り鎧姿の雑兵。
太鼓を叩きながら入ってくるお囃子部隊。
それらが数十名、教室の扉から次々と入ってくるのだ。
その者達に見とれ、その足取りを目で追う。
そうして変な一団が教室の中へ入ってきたと思ったら。
気が付けば私の居る場所は割と広めの宴会場だった。
年齢がバラバラの制服組と後から入ってきた変な巫女雑兵お囃子は
一同室内に大人しく並んで座っている。宛ら宴会のようだ。
皆様お疲れさまでした。私は一目で判った。その男は先生だ。
何故わかったのか?見たこともない男だ。何故そう思ったのかもわからない。
ここへお集りの皆様には晩餐が振舞われます
お好きな食べ物お好きな飲み物何でもご注文下さい。
先生はそう言った。
皆思い思いの物を注文し飲み食べている。
私は訳が分からず突っ立っている。
「お前さん何してるだ?ぼーっとしてたら、食べれんくなるぞ?」
1人の制服を着た禿げかかった男が言う。
「はぁ。」私は生返事をする。
「宴も酣、皆さんにはVRの実をお配りします。
どうぞ召し上がってください。」
先生が言うと、どこからともなく現れた着物の女性たちが
でかいバランのような物で桶の底と側部を覆っている
酢飯を入れるような広い日本桶を持ってきた
中には粉の塗していない透明なわらび餅の様な
丸い一口で口に入る大きさのものが沢山入っている。
私は勧められるまま一粒手に取る。
それを持ってきた着物の女性に聞く。
「これは嚙んだ方がいいのですか?飲んだ方がいいのですか?」
その問いに女性ではなく先生が答える。
「飲み込まれた方が、より効果があります。」
私は一つ手に取り、じっくりと眺める。
感触は完全にわらび餅のそれだ。
透明な為に景色が、それを透過し周囲の宴会場の様子が
濁った魚眼レンズの様に映り込む。
私は思い切って口に入れた。
一噛みして気づく。飲み込まなければならなかった。
私はそのまま飲み込んだ。
景色が歪みPCのモニターにでもなったような状態
目前の文字しか見えない状態だ
感情の起伏という緑色のデジタル文字とグラフが出る
例えるならマトリクスに出てきたような文字の様に光を発している緑文字。
そのグラフはニュートラルを中心に左右にグラフが展開されており
平坦な線が左右に振れて描画されている。
右に他のグラフが出る。
グラフはニュートラルを中心に左右にグラフが展開されているが
元のグラフと違い横にとても広いグラフとなっており
上下に乱高下したグラフになっていて一本線ではなく
上下に激しくグネグネしたグラフとなっている。
感情の起伏が激しいという事を意味しているのか?
そしてムービーの様に走馬灯が流れる。
そして映像は途切れる。
VRの実とやらの効果が切れたのか再び景色は宴会場へと戻る。
周囲の者は生気が抜けたかのように皆だらんとしている。
想像するにVRの実とやらで何かを見ていて、その状態なのだろう。
多分私もそんな状態だったのかもしれない。
先生は驚愕の表情でこちらを見る。
「お……お前どうして、ここにいる?!」
先生がそう言っていると
宴会場の扉から何者かが入ってくる。
誰かが入ってきたことは分かるが背丈もわからないし
何を着ているのかもわからない顔もわからない。
その者は先生に耳打ちをするすると
先生は激昂して男を怒鳴りつける。
「担当が違うのでわかりません……」入ってきた男が言う。
「クソッ……!」先生がそう言うとともに
私は意識が戻る。暗闇だ。遠くで何かが聞こえる。
ただ誰かが私に呼びかけている事だけは分かる。
私はアロンアルファで接着されたかの如き
決して開かないような重い瞼を、こじ開ける様に
瞼に何度も力を籠めるしかし瞼は開かない
しかし呼びかけに答えるにはそれしか手立てがないのだ。
幾許かの時間、努力の甲斐あってやっと瞼が開く。
よくアニメ表現であるような
周囲は暗黒でアーモンド形の視界に添って景色が見える。
僅かにしか目が明かない、その極めて細い視界に入ったのは。
私の知らない誰かだった。
何かを言っているが何を言っているのかはわからない
ただ瞼から除く僅かな景色にその人は嬉しそうな顔をして映った
顔にぽつぽつと雫が落ちる。
あぁこれは、この人の涙だ。
何故なら落ちるタイミングがその人の涙が落ちる雫と
私の皮膚が感じ取るのと、シンクロしているからだ。
私は再び無理やり開けていた瞼を閉じる。気持ちが弛緩する。
私は自由だ。
そう思った瞬間私はベッドから跳び起きた!
頭は、ボーッとしているが、記憶だけはハッキリしている。
なんだ……夢か。
それにしても。こんなにハッキリ記憶している夢なんて
相当久しぶりだ。意味不明だし何だったんだ……この夢。
暫くベッドで寝転んだ後
ベッドから起き上がり朝のルーティーンをこなす。
ここの所ロディーと連れ立ってたため私は精神的に疲弊していた。
あーちゃんとの一カ月は特にそんな事は無かったが。
何が違うのか?
私は基本的に生前から一人が好きだ。
というか例えて説明するのならば、私はスマホである。
出かける時は充電池を使って、どんどん精神を摩耗する。
これが外出をしていたり人と合っている時の私だ。
宿に戻り一人きりになる。
これがスマホを充電器に繋いで充電中と表示される状態。
つまり私は一人でいる時間がないと
稼働し続けられないのだ。
だから、この充電が足りないと私は動けなくなる。
まるでスマホが充電不足で落ちる様に。
だから私は暫く頭の中で今日は一人でいたいと呟き続けた。
ヨシ。これで今日は気を利かせてロディーは来ないだろう。
来たら叱ってやる。
私は日がな一日、ゴロゴロしたり、瞑想したり、魔法のアサシン教科書読んだりして
一日を過ごした。実に充実した日だ。
普通の人は、これを見て
引き籠り、怠惰等と言うだろう。違うのだ。
また充電器を引っこ抜き動き回れるようにする為に充電をしているだけなのだ。
同族の者は分かってもらえると思う。
私はこの事をこう呼ぶ。魂の休息。と。
私は今回これを二日間続けた。充電率は85%といった所だろうか。




