Aランクのマジックアイテム
あれから一か月結局毎日アンデッドコリドーのB1Fで
ひたすら鍵開け&マジックアイテム収集の日々
二つほど分かった事があるB1Fには敵が出てこない
鍵開け修行場には持って来いの環境。
もう一つは、やはりマジックアイテムはCランクからFランク
それ以上もそれ以下も出ない。
下層に降りれば違ってくるかもしれないけれど、面倒なので
B1Fで鍵開けの修行を継続している。
一か月でかなり貨幣も溜まったので
効率を上げるために、高レベル器用さの
マジックアイテムを購入するのもありかな。
ちなみに現在所持している銀貨は8000枚ほど。
現状B1Fの鍵開け率は体感成功率90%になっていた
後、気になったのは、B1Fは敵がいないので宝箱の鍵開け競争率が高い
当然割り込もうとするスカウトもいる
まぁ小娘を押しのけて。といった所でしょう。
時間停止というアドバンテージがあるので
時間を止めて先に開ける。成功すれば回収し失敗すれば離れる。
離れた場所でリリースすれば横入りスカウトに罠が作動する。
上手くすれば大けが、下手をすれば地面に転がる。
その者の生死には頓着がない。
どうでもいい、というか寧ろ清々しい気持ちになる。
こちらが弱者だからと高を括って横入りするような奴は
天罰が下って当然。ざまぁみろ。
そろそろ階下の宝箱のマジック強度も気になる。
面倒くさい事は増えるが次回は初B2Fに挑戦かな。
と考えつつ今日はまだB1Fの鍵開け続行する。
(時間経過)
そろそろ頃合いかな?
バックパックから帰還のスクロールで
グリムハルトの宿屋前に戻った。
日は傾いてるけれどマジックアワーにはまだ早い。
早速宿屋の部屋に戻りいつも通りマジックアイテムを鑑定をする。
その鑑定品を持ってマジックアイテム屋で売り払う。
徐々に、鍵開け成功率が上がっているため
以前は銀貨10枚だったが今は25枚前後の収入。
勿論出るマジックランクで差は出る。
Cランクマジックアイテムが多い時は50枚の時もある。
次回下層に潜るにあたって、より効率を上げるため
高レベルの器用さ付与のマジックアイテムを購入しようと思う。
ショウウインドウに並んでいるマジックアイテムに目を通してゆく
Aランクのアイテムに目を通した。
勿論目当ては器用さ。
エメラルドの嵌め込まれたAランク器用さの指輪
銀貨5000枚。全財産の半分以上になる…
しかし効率が上がるのならば、お手頃と言ってもいいかもしれない。
「すみません、こちらの指輪見せていただいてもよろしいですか?」
私が言うと店員は答える。
「どうぞ、お手に取ってみて下さい。」
店員はショウケースの鍵を開け指輪をカウンターに乗せた。
「疑うわけではないですが、鑑定スキルを使ってもよろしいでしょうか?」
「構いませんよ、ご自身の鑑定にて、ご判断ください。」
「エンチャントリーディング」私は唱え指輪をなぞる。
今まで感じたことのない量の魔力が流れている。
Cランクとは比較にならない魔力の流れ、間違いない。Aランクに違いない。
「購入を希望します。」私が言うと。
「それでは値札通り銀貨5000枚となります。」
私はカウンターに500銀貨を10枚置いた。
「それでは丁度になります。贈り物でしたら包装も承りますが、如何いたしましょう?」
「いいえ、この場で嵌めて行こうと思いますので、そのままお渡しください。」
店員は丁寧に私の手にそっと指輪をのせる。
「お買い上げ有難う御座いました、またのご来店をお待ちしております。」
「こちらこそ良い品を譲って頂き有難う御座いました、またよろしくお願い致します。」
そういうと私は中指の器用さCランクの指輪を外し
器用さAランクの指輪を嵌めた。エメラルドが中央にはめ込まれている指輪。
エメラルドは一般的に知恵と直感を高め、細かい作業や技術的なスキルに役立つ
と言われている。
「いい買い物をした。」いつの間にか呟いていた。
時はマジックアワー、宿屋に向かい夕食を食べる。
シャワーを浴び、ローブを羽織ってベッドに腰掛ける。
シャワー前に外した指輪を人差し指に嵌めそれを見つめる。
長方形のエメラルドカット、透き通るような緑色。
当に瞳に吸い込まれるような魅力を放っている。
飽きることなく長い事眺めていた。
それにしても、生前は宝石等これっぽっちも興味がなかったのに
この心の高揚感は何だろう?
アリシアちゃんの影響かTSの影響かわからないけど
何かが変化しつつあるのは感じていた。
気が付けば眠りに落ちていた。