第23話 避難所での話【中編】
段ボールの仕切りの中に入ってみると、足を少し伸ばせるくらいのスペースがあって、しかもちょっと暖かかったので、意外と過ごしやすい環境であることがわかった。
僕はあぐらをかいて、先程手伝ったお礼にと陽一さんから貰ったうす塩味のせんべいを食べる。
食べていると、右隣の段ボールの仕切りに入っている絵美が話しかけてきた。
「ねぇ勉……今日ってここで泊まるってことだよね」
「そうだよ」
「私、寝る時雨の音うるさ過ぎて眠れないかもしれない」
そうか、今は周りの大人とか、遊んでる子どもの声があるから外の音があまり耳に入らないけど、みんなが静かになったら外のうるさい音が聞こえてくるのか。
……確かに絵美の言う通り、眠れないかもしれない。
何か解決策ないかな、スマホで音楽聴きながら寝るっていうのも一応あるけどバッテリーの無駄だしな。
「何も考えないで寝る、とかどう?」
「無理だよ」
「無理か、因みに僕も無理だよ」
「そうだ、抱き着いて寝るとかどう?」
僕は少し考える、抱き着いて寝る? 今そう言ったよな完全に。
絵美と抱き着いて寝るところを僕は想像した、この足を少し伸ばせられるくらいのスペースで抱き着いて寝る……これ逆に音とか関係なく緊張で眠れなくなりそうだな。
「それって本気で言ってるの?」
「本気だよ、私勉となら抱き着いて眠れるよ?」
「いや、そうじゃなくて、たぶん僕音とか関係なく緊張で眠れなくなりそうなんだけど」
「あ、確かに、じゃあ駄目か」
僕たちは黙り込む。
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