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第20話 避難

 勉強も集中できないし、やることがなくなっていた。雷雨も止む気配がない。むしろ強くなっている気もする。

 「勉、ニュース見てたんだけどさ、避難指示出てるよこの地域」

 「相当やばいんだな……」

 「警戒レベルが、5だって」

 

 絵美がスマホの画面を見せる。

 

 「警戒レベル5?! 一番やばいやつじゃん」

 「そうなの?!」

 「命の危機だから早く安全確保しましょうてきなやつだよ」

 「あ、そう書いてある! ちょっと違うけど」

 ちょっと違うんだ。

 

 「とりあえず、警戒レベル5が出てるってことは、相当やばいから今すぐ荷物まとめて避難しよう」

 「り、了解! 私一旦部屋戻るね」

 「了解、気お付けて」

 

 絵美は急いで家を出た。


 避難用のリュックサックに財布と非常食2つと水のペットボトル2つ、懐中電灯、充電器、日用品を少し入れた。避難時はあまり荷物を持って行かない方がいいらしい。

 少し経つとインターホンが鳴ったので急いでドアを開けに行く。

 

 「ごめんちょっと遅くなっちゃった、必要なやつが多くて……」

 あー、これ大量に荷物持ってきたタイプか。

 「荷物……多くない? ちょっと減らそうか、避難するときは最小限の持ち物を持っていこうね」

 「えぇー?!」


 絵美の荷物をこれなら軽いだろうというくらいまで減らし、持ってもらう。

 「おお、軽い!」

 「じゃあこれで避難しよう、必要なものは最低限あるから大丈夫だよ」

 「了解、じゃあ避難所に向かお」

 俺たちは急いで家を出た。


 「避難所まで何分で着くの?」

 僕たちは雷雨の中、ゴーマップというアプリを見ながら避難所を目指している。

 

 「あと5分くらいかな」

 「えー? 雨の音が凄すぎて聴こえないからもっと大きな声で喋って!」

 僕は言われた通り大きな声で喋った。

 「あと、5分くらいだよ!」

 「了解、ありがとう!」

 

 絵美がいつもより大きな声で喋ってくれているので、僕も出来るだけ大きな声で喋ろうと思った。

 

 5分くらい歩き、ようやく避難所に着いた、服がびしょ濡れなので持ってきた服に早く着替えたい。

 「小学校! 入るの久しぶりだなー、ちょっと楽しみ」

 

 避難所は小学校の体育館になっていた、久しぶりなので僕も少し楽しみにしてた。

 

 「こういう機会しかもう入れないからね」

 「あ、着替えてから入った方がいいかな、体育館濡れちゃうよね?」 「確かに着替えてからの方がいいかもしれないね」

 「わかった、着替えるから後ろ向いて勉も着替えてね、私も見ないようにするから!」

 「りょ、了解」


 人が恐らく見えない所まで行き、背中を向けて着替える。ちょっと後ろを振り向きたいけど、我慢……。


 「私は着替えたけど勉はどう?」

 「あ、着替えたよ」

 「なんでちょっと寂しそうな声なの?」

 「いや、気のせいだよ、そんな事より着替えたし中入ろ」

 「そうだね! 中入ろ!」

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