表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/123

#45 敏捷値が三桁に達したら

『それにしても、ここって狼まで出るんだな』

『ゾンビとかスケルトンとか不死者(アンデッド)ばっかりだって思っていたけどな』

『あーでも、廃墟には野良犬が棲み付く事が良くあるって聞いた事はあるな』

『野良犬ってレベルかあれ? 魔物化した狼なんですけど』


 そうですね、凶暴度が段違いですね相手する私からすれば。

 ――とまあ、今日はチャット欄も盛況だ。今まで殆ど閑古鳥が鳴いていたから、こういうのを見ていると嬉しい。

 それはともかく今の戦闘で念願のレベル5に到達した。今回のレベルアップはこれまでとは文字通り一線を画す。何故なら、


「……おめでとう、すのこさん。これで敏捷値も三桁だね」


 そう。敏捷値がとうとう100を超えるのだ。

 一回のレベルアップにつき貰えるパラメーターポイントは10。5レベル目で40ポイント。元々の数値は65である為、これで合計105になる。


「マイは? まだ戻ってきませんか?」

「……うん。別の魔物(おおかみ)を追い掛けていっちゃったまま」

「そうですか……」


 記念すべき瞬間をマイとも一緒に迎えたかったんだけど。とはいえ、配信はテンポが大事だ。何もせずに待つのはよろしくない。彼女には悪いけど、ここは先にパラメーターポイントを振らせて貰おう。

冒険者教典カルト・オブ・プレイヤー』を開き、パラメーターの操作をする。決定のボタンを押した瞬間、機械音声が私の耳に届いた。


『条件:「敏捷値のパラメーターが100に到達する」を達成。

 スキル【二乗の(ことわり)】を習得しました』


「あっ、何かスキルゲットした! 100になったからかな?」

「……きっとそう。やったね。どんなスキルなのかな?」


 頬をかすかに赤く染めて興奮するルトちゃん。三桁なんて大台、彼女も見た事がないのだろう。彼女の可愛らしさに押されて、焦る手で教典のスキル欄のページを開いた。そこには先程の【天龍一矢】とは別にもう一つ、スキルが追加されていた。



【天龍一矢】

 アクティブスキル。一定範囲内に魔力の矢の雨を降らせる。最少で十本。レベルが上がると本数が増える。



【二乗の(ことわり)

 パッシブスキル。近接攻撃時に限り敏捷値の数値を筋力値に上乗せする。



「うわっ、これ本当に凄い! これなら私の攻撃力の低さをカバー出来るじゃん!」


 なんて私向きのスキルなのか。極振りプレイをしている為、私の筋力値は常に最低値だ。それをこんな形でカバーしてくれるなんて。ありがたやゲームシステム。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ