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のほほん見聞録  作者: ヒロっぴ
引越専門協同組合
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ご飯大好き







引越専門協同組合。



俺が以前いた引越専門業者とは違い、それぞれの運送会社が引越とは別に、本業の運送事業を営んでいる。



引越の専門業者であれば、繁忙期には短期のアルバイトを雇ったり、派遣の人材を使ったりするのだが、協同組合の場合は組合員の運送会社に依頼をかけたりする。




そんな関係上、引越以外の仕事でも協力会社として、様々な依頼がかかる。




俺が働いていた会社の協力会社として、○○ビアノという運送会社があった。




元々はピアノ輸送の専門会社だったが、高度経済成長の波に乗って、一家に一台という勢いで普及していったピアノの勢いもいつしか衰え、昭和が終わってバブルがはじけたあたりから、ピアノ運送も段々と減っていった。




そんな状況では、会社名に『ピアノ』と冠してはいるが、実際にはピアノに限らず、重量物に特化した運送会社へと変貌を遂げていた。




当時一番多かったのが、業務用のコピー機である。




ピアノもそうだが、軽くて180キロ。重いと300キロを越える。



それを二人で担ぐ訳だから、単純計算で一人150キロの負荷がかかる。




平地を歩くだけでも大変だが、階段作業となると、ある意味命がけだ。



万一足を踏み外せば、下の人間は潰されるし、上の人間も担いでいるバンドに引っ張られ、首に損傷を負うことになる。




実際、それで亡くなった人もいるのだ。




俺は以前の引越専門業者でピアノも担いでいたので、全くの素人では無かったが、ブランクもあったし、年齢的にも40歳を越えていたので、久しぶりに担いだ300キロオーバーのコピー機はキツかった。



階段など、それこそ慎重にならざるを得ない。





……と、それらしく匂わせながら、今回のエピソードは、搬送自体ではなく、一緒に作業をした協力会社の社員の弁当に関するものだ。





彼はまだ20代と若いのだが、有名米所の出身らしく、とにかく米が大好きだという。



このときも、米をぎっしりと詰めた大きめのジップロックを2つ持ってきていた。



2つで2合はあるであろう量だ。




彼は炊いた米だけを持ってきて、おかずはコンビニで買うという。




このとき彼が買ってきたのは、コロッケとフライドチキン、それぞれ一個ずつ。




米1合にそれぞれ、一つずつ食べていた。




彼いわく、おかずは少しでいいという。





そんな彼はカレーも大好きらしいが、大多数の人とは食べ方が違う。




カレーまみれのライスではダメらしいのだ。




『カレーは少しでいい。』





と言っていた。





ご飯の味が感じられないとダメということで、ティースプーン一杯位のカレーをご飯に塗って、箸で頬ぱる。




そんな食べ方が好きらしい。





それを聞いた俺はなるほどと思った。





確かに通常のカレーライスでは、ご飯の味は感じられない。





何でも試さないと気がすまない俺は、早速試してみた。





少量のカレーにご飯。




確かにご飯の味が感じられるし、カレーはおかずだ。




これはこれでンマイ!






そして、俺はカレーを食べる時は、まずは少量のカレーをおかずにご飯を味わってから、普通にカレーライスを食べるようになった。




一粒で二度美味しい。みたいなノリである。




簡単に言えば、牛丼と牛皿の違いである。




そして、牛皿を頼んで、牛肉をおかずにご飯を味わった後に、牛肉をご飯にかければ、これも一粒で二度美味しい!となるのてあった。




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