留守電
俺が市バスの仕事を始めた頃は、まだまだ携帯電話が普及していなかったので、家電がメインだった。
その為、留守番電話の機能は欠かせないアイテムになっていた。
その中でも秀逸だったのが、○森○菜がCMに出ていたオーディオの留守電機能だ。
電話回線を接続してオーディオのカセットテープに録音するのだが、大音量で音楽を聴いていても、電話がかかってくると自動的に音量が小さくなるのだ。
留守電機能そのものよりも、その音量が小さくなる機能が気に入っていた。
当時は留守電のメッセージにも凝っていて、
『……ただいま留守にしております。ご用の方は、ピーという発信音の後に、プーというオナラ……じゃなくて、メッセッージをよろしく!』
というのを入れていたら、帰ってから留守電再生すると、笑い声だけ入っていたり、笑った後に『すいません。笑ってしまいました。私、○○と申します。』なんて営業電話だったり、同僚からは『プーッ』とだけ言って切っていたりと様々な反応があった。
また携帯電話を使うようになってからも、仕事中は留守電にしているので、
『はい○○です……え?……どちら様ですか?……ちょっと電波が……え?…………なんて実は留守電です。ご用の方はメッセージをお願いします。』
という応答メッセージに対して、
『キサマー!もしもし言っちゃったじゃねーか!……ぶちコロス!』
という九州の友人からのメッセージが一番笑えたのだった。
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