キム○ク効果
これは俺が30代の頃、付き合っていた10歳年下の彼女から聞いた話。
当時、彼女の友達は、芸能関係の仕事をしていたらしく、ある時キム○クと一緒に食事をする機会に恵まれたという。
いくら芸能関係の仕事をしているとはいえ、天下のキ○タクと間近に接するのが初めてだった彼女は、極度に緊張していたという。
まー、無理もないだろう。
そして、食堂ではキム○クの正面に座った事で、彼女の緊張に拍車がかかった。
みんなが『もりそば』を頼む中、
『君は?』
と聞かれて、
『あ、私も同じので…』
と、周りに合わせたのはいいけれど、彼女は生まれて初めて『もりそば』を食べることになったのだ。。
それが、悲劇(喜劇)の始まりである。
やがて目の前に置かれた『もりそば』
その横にはめんつゆ。
彼女は緊張している。
そして、もりそばは食べたことがない。
彼女はおもむろに、めんつゆの器を持ち上げると、『もりそば』の上からかけてしまった。
一連の動作を見ていた目の前のキム○クは、目を見開きながら、
『か、かけるんだ……』
と言ったらしい。
まだ緊張冷めやらぬ彼女は、目を上げることも出来ずに、
『は、はい!』
と言って食べ初める。
当然『もりそば』の器の下はザルなので、下からつゆが溢れ出て、テーブルに広がっていく。
それにすら彼女は全く気付かず、
『お、美味しいです!』
と箸をすすめた。
おそるべしキ○タク効果。
そして、ナイス・リアクション!
『か、かけるんだ?』
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