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のほほん見聞録  作者: ヒロっぴ
長距離トラック時代
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追突注意






※このエピソードはショッキングな内容が含まれますので、ご注意下さい。


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         ▼



当時拠点近くのスナックで知り合った人が、大型レッカー車の仕事をしていた。



活動エリアが東名高速ということで、かなりショッキングな話を聞いた。




彼が出動するのは大型車が絡んだ事故や故障。



故障はともかくとして、彼が担当するのは、高速道路での大型車が絡む事故。



彼の言葉を借りると、




『人の形をしていない。』




そんな悲惨な事故現場に行くことが多いと言う。


通行止めが中々解除されないときは、『人のパーツが全て揃わないから』だと言っていた。




腕だの足だの頭だのが見つからないと解除されないらしいのだ。




それが高速道路外の斜面などにある時、警察官は嫌がって、『○○さん(彼の会社の名前)お願いします。』と頼まれるという。



仕方なく彼は斜面などを探し、頭が見つかると髪の毛をつかんでぶら下げながら、『あったぞ~。』と持ってくるという。



俺には絶対に出来ない仕事だ。




そんな彼が一番嫌なのは、潰れた車体に挟まれた人を救助する為にレッカーで引っ張り、励ましながら救助している最中に亡くなってしまう人を見ることだと言っていた。



また、潰れた車体の中であまりにも悲惨な状態になっていた場合は、車ごと大学病院に送り、そこで検死をする、と言っていた。




そして、そんな悲惨な事故でもニュースで報道されるときは『全身打撲で死亡』とか、『多発性外傷で死亡』とかなので、その悲惨さは伝わらないという。




自分の葬式の時、人の形をしたまま棺桶に入りたかったら、無理矢理大型車の前に割り込むのはやめた方がいい。



というのが、彼を含めた俺達の見解だ。




特に、前が渋滞しているからといって、直前で大型車の前に割り込むのは愚の骨頂だ。



略して『ぐのこちょ』である。




小型車のようにすぐに止まれないから、わざわざ車間距離を取っているのに、そこに割り込む人間が多すぎるのだ。




どれだけ悲惨な事故になるのか、伝える必要があると思う。





当時大型トラックに乗っていると、ピッタリと車間距離を詰めてくる小型車が頻繁にいた。




なんとかならないかと思った俺は、手作りのステッカーを作った。




『追突したら痛いですよ』




そんなステッカーを車体後部に貼った。




すると、車間を詰めてきた車が、スーっと下がって車間を開ける事が多くなった。




俺のもくろみ。




ステッカーを見る。

   ↓

『追突したら痛いですよ』

   ↓

『バカじゃねーの!痛いで済むかよ!』

   ↓

『…………』

   ↓

『そーだよ、痛いじゃ済まねーよ。』

   ↓

車間開ける。





だったが、効果はあった。……気がする(笑)




. 

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほどね!車体が重い分、制動距離が長くなることを見越して車間距離を開けているわけだ。 でも入りやすいんだよなぁ、開いてるから。注意しよう。 [気になる点] 警察官!それはあなたの仕事でし…
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