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のほほん見聞録  作者: ヒロっぴ
引越屋アゲイン つづき
34/136

慰安旅行





昭和天皇陛下が一月に崩御され、新たなる年号の平成が始まった年の2月。




俺がその運送会社で働き始めてから約一年たとうかという頃。




運送業も年末の繁忙期を越えて仕事も落ち着き、引越の方は三月から始まる繁忙期前で、嵐の前の静けさを迎えていた。




そんな時期に合わせて、慰安旅行が催された。




一泊二日の熱海旅行。



熱海といえば秘宝館。



そんなことを言い出したのは、誰あろう?


俺だった。



噂に聞く秘宝館に一度は行ってみたいと思っていたのだ。



当時は全国に秘宝館があり、近くを通る度に行ってみたいと思っていたものだが、時代と共に淘汰されていく中、この熱海の秘宝館は令和の今でも営業しているのは喜ばしい限りだ。



中はまさしく大人の遊園地。


ネタバレになってしまうと楽しみが半減するので詳しくは書かないが、行ったことのない人は1度行ってみるのもいいだろう。




個人的にはとても好きで、他の会社の慰安旅行でも提案したり、歴代の彼女とも行っていたりする。



その結果、6回は訪れている(笑)




あ、いかん、脱線してしまった。



話を元に戻そう。



その慰安旅行の最中。


とある同僚が『この旅行中に落としてみせる。』と、ある野心を打ち明けていた。




彼は俺と同い年で、当時23歳。



この時代には珍しく、自信がバイセクシャルであることをカミングアウトしていた。



当時、トラックドライバーは、可愛いコを見つけると軽くクラクシヨンを鳴らして手を降ったりしていたものだが、彼は違った。



彼はジャニーズ系の男の子を見つけるとクラクシヨンを鳴らし、『美味しそう。』と舌なめずりをしていた。



俺が、『やめてくれよ、気持ち悪いな~。』と言うと、『大丈夫!○○ちゃん(俺のこと)はタイプじゃないから。』と言う始末。




当時会社には二人の若い男の子がいた。


その二人を彼は狙っていた訳だ。




当然二人は狙われていることを知っていて、旅行当日の夜は一人になりたくないと、朝方までみんなとトランプをしていた。



それでも諦めのつかない同僚は、寝転がってトランプをしているその男の子の尻に頬を寄せて、いつの間にか眠ってしまっていた。



今、彼はどうしているのだろうと思う。



同じ嗜好の相手と結ばれているのだろうか。



少なくとも、当時よりは生きやすい世の中になっているのだろうとは思うが、まだまだ苦労は絶えないのだろうと思う。



.





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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「その二人を彼は狙っていた訳だ」 おい! せめて一人に絞ろうよ!(笑) [一言] 人事だから笑って読んでいられるけど、狙われた本人としちゃあ、たまったもんではないだろうな。 話だけ…
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