成人式
成人式当日の話。
高校の同級生と俺は、二人で成人式に参加していた。
成人式の会場では他にも何人も同級生と会ったが、式典が終わると、それぞれ三々五々帰っていった。
俺とその同級生は、どうせなら成人しか出来ないことをしよう。ということになり、帰り道にあったストリップへ行くことになった。
二人とも着なれないスーツに身を包み、手には『成人おめでとう』と書かれた紙袋を持っている。
薄暗い劇場の中に入ると、明らかに浮いた存在だった。
中高年が多い慣れない劇場のなか、次々とショーは進んでいく。
すると、ある踊り子さんが登場したとき、くぐもった声でアナウンスが流れた。何を言っているのか分からない。
だが、そのとたんにみんなが一斉に手をあげる。
訳もわからず俺と同級生も手をあげた。
すると、じゃんけんが始まった。
なんだろうと思いながらじゃんけんをする。
あれよあれよという間に勝ち上がった俺は、最終的に勝ってしまった。
すると、又何を言っているのか分からないアナウンスが流れ、踊り子さんに手を引かれた。
『え?なに?』
と思っているうちに、手をウエットティッシュで拭かれ、ズボンを脱がされ……
そう『まな板本番ショー』という奴だ。
成人式の帰りに、同級生の前で腰を振ることになった俺は、伝説となった……
チクショー!
.




