のほほん見聞録

引越屋時代

そんな間違いある？

その日、荷物を積み終わった俺は、降ろし地の住所確認をする為、作業指示書を持ってお客さんのもとへ行った。

そして指示書の住所を示し、

『こちらでよろしいでしょうか？』

と読み上げていると、

『なんだこれ！俺の名前がハゲになってるじゃないか！』

と、お客さん。

え？

慌てて確かめてみると、

フリガナは『トオル』になっているものの、

漢字は『亮(トオル)』ではなく、

『禿(ハゲ)』になっていた。

『確かに俺はハゲだけどよー』

と、ツルツルの頭をさすりながら、お客さんは、ノリ突っ込みで笑い飛ばしてくれたからいいようなものの、こちらは、

『すいません。きっとパソコンの打ち間違えです。』

と冷や汗もの。

しかし、よりによって、ホントにハゲてるお客さんの名前を『禿』って打ち間違えるとは…

恐るべし……

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