充実した家電環境
期間従業員の仕事は、毎月の給料の他に生産協力金というのが出ることもある。
これはその時の業績によるので、必ず出ると決まってはいないのだが、確実なものでいえば、期間を満了するごとに出る慰労金というものがある。
これはいわばボーナスのようなものだ。
この時勤めていた〇野自動車の期間は三ヶ月だったので、更新すれば期間満了の三ヶ月ごとに毎回出るということだ。
これは非常にデカイ。
俺は、市営バスに勤めていた時を除けば、ボーナスのある仕事はほとんどしてこなかった。
毎月の給料以外の収入というのは、思ったより大きい。
ここでの期間従業員の仕事を始めるまでは、かなり困窮した状況になっていたので、やっと落ち着いてきたというのが現状だった。
そして、そんな状況下で、共同生活の社員寮から、家賃も光熱費もかからないワンルームでの一人暮らしが始まった事で、多少なりとも余裕が出てきた。
元々、料理も好きだった俺がキッチン付の部屋に移った事で、調理する機会も増えてきた。
そうなると、この部屋に備え付けてあった正方形の小さな冷蔵庫では足りなくなり、通販で中華製のハイアール冷蔵庫を購入した。
これは高さも130センチ余りあり、ファン式なので冷凍庫の霜取りも不要なので、お買い得だ。
確か三万円しなかったと思う。
ただ、通販なので、玄関先までの配達で、設置はしてくれない。
とはいえ、そこは元引越屋だ。
これくらいの冷蔵庫なら一人で搬入も設置もお手の物なのだ。
新しい冷蔵庫をキッチン横の冷蔵庫置き場に置いたことで、元からあった小さな冷蔵庫は、主にビールなどを入れる冷蔵庫として部屋に置くことになった。
手の届く所に冷えたビールがあるというのは、とても便利だ。
また、このアパートにはテレビが無かったので、まずは22インチの液晶テレビを買った。
その後、3D対応のブルーレイレコーダーを買ったので、やは3D対応のテレビが欲しくなったが、通販でもかなり高いうえに、ワンルームでは大きすぎるようなサイズの物しかなかった。
そんなおり、連休で地元に帰った時にイトーヨーカドーで、32インチの3D対応テレビを見つけた。
大手家電メーカーではないものの、パソコン関連の商品を手掛ける国産メーカーだ。
しかも丁度キャンペーンで二万七千円ほどだったので、即決で購入した。
これは、今でもお買い得だったと思っている。
このメーカーは現在テレビから撤退してしまったので、今32インチの3D対応テレビを買おうと思ったら、とてももこんな値段では買えないのだ。
いや、そもそも販売すらしていないのかもしれない。
3Dに需要がないのか、もっと大型の、かなり高額のテレビになってしまう。
このテレビを買ったことで、22インチのテレビはロフトで使うことになった。
また、ここでの生活で購入したのは、タコ焼き器や、炊飯器、電気ケトル、ホームベーカリー、トースターなど、後々使えるものが多い。
期間従業員というのは、収入面でも待遇面でも、ヘタな正社員になるよりは、かなりメリットがあるということが、この時の生活で分かったのである。
何事も経験しないと分からないことが多いものだ。
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