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店番
大阪の親戚の家では露店商を生業としていて、俺が小学校の高学年になる頃には、簡単な店番などの手伝いをするようになっていた。
最初はお面売りから始まり、金魚すくい、ヨーヨー釣り等を経て、綿菓子やイカ焼き等の技術を要するものに変わっていくことになる。
その日はまだ手伝い始めて間もない頃で、お面屋の店番をしていた。
俺は小学生の頃は背が高く、大体クラスで一番大きかった。
そんな俺が店番をしていると、子供たちがお金を握りしめて買いに来る。
『おっちゃん、これナンボ?』
いや、いくら背が高くても、小学生に向かってオッチャンて……
大阪ではあまり気にもしないで普通に使う言葉だが、関東の俺にとっては衝撃だった。
今なら分かる。
きっと『誰がオッチャンや!』と、突っ込みを入れるべきだったんだろうと(笑)




