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のほほん見聞録  作者: ヒロっぴ
○野自動車
117/136

現状打破







瓦礫撤去の仕事の申請をしてから二ヶ月近くたったが、全く音沙汰が無かった。




いつものように求人情報を見ていると、一つの募集が目に止まった。




トラック製造の大手メーカー○野自動車が期間従業員を募集していた。




出張面接が各地で行われているようなので、俺は比較的近場の面接会場に赴くことにした。





そこは、マンションの一室を借りた臨時の面接会場だった。




呼ばれて部屋に入ると、履歴書を提出し、滞りなく面接は行われた。




俺は、若い頃に他のトラックメーカーの期間従業員に応募したことがあった。



そこは通勤圏内だったので、今回のように寮に入るつもりもなく応募したのだが、結果は不合格だった。




面接で提出したエントリーシートにあった項目で、素直に腰痛有にしたのが原因ではないかと考えていた俺は、今回の面接では腰痛無しにチェックを入れていた。




面接が終わり、部屋を出るときには、面接官に『いい結果をご報告出来ると思いますよ。』と言われた。





その言葉通り、やがて合格通知の封筒が届いた。




今回は寮に入るつもりだったので、この書類が届くまではどこの工場になるかは分からなかったが、比較的近くの本社工場勤務になった。





さて、合格したのはいいが、まだ最初の給料日までの生活費が貯まってはいなかった。




寮に入るとはいえ、この時住んでいたアパートを解約して引越をする費用もない。



○野自動車の期間従業員は、三ヶ月毎の更新で、最大二年の期間雇用になる。



ということは、アパートを解約したとしても、二年後には又引越費用がかかるし、身一つで寮に入ったとしても、寮に持ち込めない荷物が3tトラック1台分位はある。



古い家具などは捨てるにしても、最低でも2tトラック1台分位の荷物は残るので、それを保管する倉庫の事を考えると、このままアパートは解約せずに、週末や連休の時だけ帰るのが無難だという結論に至った。




それでも、家賃はかかるが、寮生活している間の光熱費はかからない。




そう考えると、問題はやはり最初の給料が出るまでの間の生活費と家賃だ。



仕方なく別世帯にいる妹に現状を伝え、十万円を借りることになった。





妹は、ア○ウェイを本業にしていて、俺の月給分位の家賃のマンションに住んでいるから、成功者と呼べるのだろう。



そんな妹に恥を忍んで借金をすると、毎月一万円ずつ返すことを約束して、東京都日野市にある勤務先の寮に入ることになったのである。




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