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その1・そもそも皆太平記って知ってます?

小説家になろうに作品を投稿させて頂いてから早一か月になりました。


当初は全く人様の目に触れることなく埋没していくのではないか、と心配していたのですが、思ったよりも遥かに多くの方に読んで頂けているようで喜びもひとしおです。


しかしここに至って気になった事が一つ。


「果たして太平記や南北朝時代を全く知らない人でも読める作品になっているのだろうか?」

「よしんば太平記や南北朝時代を全く知らない人が読んでくれているとしても入り口が『コレ』と言うのはどうなんだ?」


創作の題材になりやすい戦国時代や幕末、中国の三国時代と比べれば南北朝時代は残念ながらいまいちマイナーと言わざるを得ないと思います。

いくら某少年漫画雑誌でまさかの北条(ほうじょう)時行(ときゆき)が主役の連載が始まったこの時期とは言え、恐らくまだまだ周知度は低い時代なのではないでしょうか。


歴史の授業でもそんな深くはやりませんし、NHKの大河ドラマになったのももう30年も前の話ですし、私の知る限り電源ゲームとして発売されたのはPCエンジンで二本、メガドライブで一本きりですし…


と言う訳で全く南北朝時代や太平記を知らない人向けの簡単な解説を書いてみようと思いました。

最初は拙作を読んで下さっている方向けにしようかと思いましたが、より多くの方にこの時代とそこを舞台にした作品群に興味を持っていただきたいと思い、拙作からの引用は避けてなるべく万人向け用の文章になるように心がけたいと思います。


あくまで南北朝時代に関する知識がほぼ無い方向けのとことん分かりやすい解説を目指しますので、専門的な内容に関する誤謬はなるべく目を瞑って頂ければ、と思います。


1.そもそも南北朝時代っていつなのか


日本史で言う所の南北朝時代は二つの朝廷が南北に並立した時代、と言う定義に従えば一三三六年から一三九二までの五十七年間と言う事になります(諸説あり)。

日本史の年表で言えば鎌倉幕府が終わって室町時代の最初の辺り、時代の支配者で言えば室町幕府の初代将軍足利(あしかが)尊氏(たかうじ)から三代将軍足利(あしかが)義満(よしみつ)の治世になりますね。

もっとざっくり言えば一休(いっきゅう)さんの時代の手前です。


2.どんな時代だったのか


もの凄く簡単に言えば北条氏が支配していた鎌倉幕府が後醍醐(ごだいご)天皇と足利尊氏に倒されて、その後で後醍醐天皇と足利尊氏が天下を巡って起こした争いがずっと尾を引いた戦乱の時代です。

その中で朝廷が二つに分裂したり、室町幕府の中でも凄惨な内紛が起こったりします。


3.太平記って?


室町時代に書かれた南北朝時代の軍記物です。平家物語や三国志演義と同じような「史実を元にした創作作品」ですね(さすがに三国志演義ほど史実から逸脱はしていませんが)。

昔から庶民に親しまれ、登場する歴史上の人物達の人物像に大きな影響を与えました。

また数多くの「太平記」と言う名前の作品が作られてきたため、南北朝時代と言うよりも「太平記の時代」と言った方が通りがいい事があるかもしれません。


4.抑えておいた方がいいこの時代の人物は?


最低限物語としての歴史の流れを抑える意味で言えば後醍醐天皇、足利尊氏、足利直義(ただよし)護良(もりよし)親王、新田(にった)義貞(よしさだ)楠木(くすのき)正成(まさしげ)、足利義満(よしみつ)辺りを抑えておけば良いと思います。

後醍醐天皇はその名の通り時の天皇、足利尊氏は室町幕府初代将軍、直義はその弟、新田義貞は後醍醐天皇の臣下で尊氏のライバル、楠木正成も後醍醐天皇の臣下で伝説的な名将にして忠臣と言われている武将、義満は尊氏の孫で南北朝時代を終わらせた室町幕府三代将軍ですね。


…取り敢えず本当の基礎の基礎はこんな所でしょうか。

次回(あるのか?)はもう少しだけ詳しくこの時代の流れや背景を解説したいと思います。


参考文献

北畠顕家卿 中村孝也(小学館)

神皇正統記 北畠親房(岩波文庫)

中世武士選書 二二 北畠顕家 大島延次朗(戎光祥出版社)

皇子達の南北朝 森茂暁(中公文庫)

戦争の日本史8 南北朝の動乱(吉川弘文庫)

日本の歴史 九 南北朝の動乱 佐藤進一(中公文庫)

日本の合戦 二 南北朝の争乱 桑田忠親監修編集(新人物往来社)

陸奥・南部一族 七宮涬三(新人物往来社)

山河太平記 陳舜臣(ちくま文庫)

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