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魔導書ゼロ 第零頁
遥か遠い昔、神界にアリサと名付けられた子供が誕生した。その子は生まれ持って特殊な能力を持っていた。その能力は名を『創世』といった。
大人になり、一人前の神として認められるようになった彼女は、世界を生み出した。彼女は自分の生み出した世界を愛していた。だから、他の神が世界に干渉した時の救済処置として、三つの神器を生み出し、それを使いこなせる者の元へ届くように祈りを込めた。
貫く事に特化した長剣、《イジス・アウラトムーン》
守る事に特化した短剣、《ベルリ・デルライトサン》
そして、
生み出す事に特化した書、《エルジック・スター》
通称魔導書ゼロ。勇者ゼロック・アルゲシュターが所持している事からこの名がついた。現在、この本と勇者は行方不明なままである…
そして、三つの神器が一つの世界に集まる時、不穏の鐘は鳴り響く。
創生神の六代目後継者、女神メリサはその瞬間を見るだろう。
そう、神器を操る者達の運命の行く末を。