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エドワードの夜と真夜中のアドルファス

  レイ少年との会話のあと、お互いに宿の部屋へと戻ったエドワードは部屋の窓をコツコツと叩く音を聞き、素早く開けた。 

するとスルリとしなやかな動きで入ってくる人影、エドワードの使っている『影』の一人だ。


「報告を」


「はい、ご懸念のショカンシタ王国についてですがやはり()()を破り極秘裏に『勇者召喚』をおこなったようです」


「やはりそうですか……馬鹿なことを……」


「その際に、召喚知識のあるものが少ないショカンシタ国のみで、無理やり召喚したことが原因で魔法陣が暴走してしまい、当時の王国騎士団長だったアドル殿が亡くなったようです。」


考え込んでいたエドワードは


「それ、恐らく召喚に反対したことが原因で、召喚の人柱にされたんでしょうね」


と即判断する。


「なっ! それはさすがに……相手はまがりなりにも騎士団長ですよ……?」


困惑した影の様子に、口元だけで微笑みながらエドワードは


「甘いですよ。あの傲慢で強欲なショカンシタ王が、自分の意にならないものをずっと傍ににおくものですか、あの清廉潔白を絵にかいたようなアルド殿とは、もともと馬が合わなそうでしたし今回の件で、都合よく使い捨てて消えてもらったんでしょう」


「なんという……」


ショックを受けたような影を見てエドワードはニコリと


「うちの(バカ)は才能あるものを上手く転がして使うくらいの器を持っていましたからね、まぁ使えない愚王であったらとっくに私が始末してましたけど」


と、エドワードは、なぜが自慢げに胸を張る。


「は、はぁ……」


「それで、勇者一行の素性はつかめましたか?」


「はい、召喚された勇者の名は『ゴトー』というそうです。年は17才で『ニホ』という国から来たとか、そして女の名は『マーゴ』21才のショカンシタ魔法師団の魔法使いだということです」


「で、女の正体は?」


「間違いなく暗部の手の者ですね、下っ端なのか動きがヘタクソで丸わかりです」


と影は侮蔑するように吐き捨てる。


「なるほど……やはり今回の勇者はショカンシタ王のお気に召さなかったんでしょうね、なにか理由をつけて旅に出してその道中で消す計画でもあるのでしょう」


その言葉に影は驚いた。


「条約に違反してまで無理やり召喚したのにですか!?」


エドワードは頷きながら


「あのゴトーという勇者は、よほど扱いづらかったのでしょう。むりやり従わせる事は、召喚時に与えられる『勇者の力』を考えたら難しいでしょうし……恐らくショカンシタ王は、飼い殺しにしていたレイ少年を犯人に仕立て上げる為に勇者と旅立たせて、道中であの女に始末させる気ですね」


余りにも非道な王国のやり方に、怒りを覚えた影はエドワードに自らが果たすべき使命を請う。


「エドワード様、どうかご命令を!」


エドワードは1つ頷き

「引き続きショカンシタと暗部の女の監視を、あとはアドルファス(あのバカ)の出方次第です」


「承知いたしました」


スルリと影は窓から音もなくでていった。


「やれやれ……アドルファス(あのバカ)は一体何をする気なんでしょうねぇ」


そう言いながらため息をつき、寝支度をはじめた。



◆◇◆


 …………その夜。眠っていた彼はのどの渇きを覚え、1階にある食堂兼酒場へと降りていこうとした、その途中の廊下に革鎧を着た粗野な雰囲気の男が壁にもたれて彼を見ている。

なんだ?気持ちわりーな……そう思いながら男の横を通り過ぎようとした時


「よぉ 兄ちゃん、ちょっと話があるんだけどよ」


と男が声をかけてくる、彼は緊張に身を強張らせながらも、それを隠そうと高圧的に男に答えた。


「あぁ!? 誰だおっさん、俺には話なんかねーよ!」


と無視して男の横を通り過ぎようとした時


【お前は日本人だろう?】


と、男が彼の故郷の言葉で話しかけてきた、彼は驚き男を振り返る。


「なっ! おっさん……なにもんだよ……」


警戒を強めながら彼は男に問いかけた。


「その話もふくめてお前さんと話がしたいんだよ」


ニヤリと男は笑う。


「お前さんに危害を加えたりなんざしねぇから、落ち着いて内緒話ができる場所にいこうぜ」


と彼が返事をする前に歩き出した、彼は迷ったが、男が故郷に戻る手がかりを持っているかもしれない可能性に賭けてみることにした。


……が、早速後悔した……。

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