川越でスペイン料理を
俺は上空から降下してくるダイナマイトを咥えた転校生達をよけ、登校した。
だいたいの転校生は着地した時の衝撃で爆発する。
街は火の街と化し、焼け出された市民達が阿鼻叫喚の地獄絵図を形成している。
俺はその人達が逃げる方向とは逆方向に向かって投稿した。
途中「何をしているんだ逃げなさい!」と近所のおじさんに声をかけられたが、「僕、学校があるんで。」と言って聞かなかった。
しばらくすると向こうから全力で走ってきた女学生と肩がぶつかり、お互い地面に倒れた。
「イテテテテ・・・ああごめんなさい。遅刻、遅刻、急がなきゃ・・・・」
ぶつかった女学生は口に食パンを加えながらその場を立ち去ろうとした。
「ちょっとまって、その制服、俺と同じ学校じゃないかな?それに遅刻しそうな上に食パンを加えている。君、もしかして転校生?」
「え!!はい!!私、転校生です!!」
「やっぱり!!君はダイナマイトを咥えないのかい?」
「え?なんのことですか?」
「いや、なんでもない。しかし君はさっき逆方向に走っていたけど、学校はこっちだよ。」
僕は川越があるユーラシア大陸の方を指さした。
「あ、間違えちゃった、私ったら、テヘ♪」
あざとい女だなとは思ったが、ともかく僕達は一緒に登校することにした。
途中イラクシリアを抜ける時に武装勢力に拘束されたれ、カシミールで人民解放軍に職質されたりもしたが概ね順調に登校することができ、僕達は川越についた。
日中授業を受けた後、学校の方から今マドリードはダイナマイト転校生の空襲にあっているので帰らない方がいいと言われたので、川越に疎開することになった。
疎開先には食パン転校生もいた。僕達は恋仲になり、結婚した。
そのまま川越でスペイン料理の店を開業し、今では子供が6人いる。
マドリードの方ではダイナマイト転校生の残党によるテロはあるものの、治安はだいぶ回復したらしい。来月家族を連れて帰郷する予定だ。
そうそう。今日はうちの長男が初めて学校に登校する日だ。
「じゃあいってくるんだぞ。」
「うん。」
「あ、それと。ダイナマイトを咥えた転校生には気をつけるんだぞ!」
「うん。いってきます!!」
息子は勢いよく我が家を飛び出していった。そう、あの日の俺と同じ様に。




