表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

マドリード上空にて

「うわー、思ったより高いなあ。」


ここは高度2000メートル。眼下にはマドリードの街が広がる。


「・・・・・ヤバイ、ちょっとビビってきたかも。」


彼はダイナマイト太郎。高校2年生だ。今年から川越の高校に転校する。今日はその初日だ。


「・・・・うーん。ヤバイかも。サボっていいすか?(笑)」


ーダメです。


「・・・マジすか。マジ怖えーんすけど。・・・・・・・。」


無言になってしまった。180センチという恵まれた身長。大人びた端正な顔立ち。だがしかし彼はまだ高校生なのだ。


ー今日の目標とかありますか?


「・・・目標・・・ええ目標ですか?・・・・・・・・・・・。ぶつかることすかね、せっかくダイナマイト咥えてるんで、なんでもいいからぶつかっていって、爆発して、そこでなんか化学反応なり、新しいなんか、出会いみたいなものが見つけられるといいすかね・・。」


もう時間だ。外国人の機長が英語で少し苛立たしげに告げた。


ダイナマイト太郎は覚悟を決めた様だ。先程の怯えた表情はもうない。


「・・・っし。いってきます。・・・あっ、じゃっ、ありがとうございました。また・・どこかでお会いしましょう。ええ、ああ、すいません。はい。じゃっいってきます!おし!飛びます!!うりゃっ!!」


ダイナマイト太郎はダイナマイトを咥えると、またたくまに空の下へ、小さくなっていった。


青い空を突き刺さす逆光が我々の視界を捉えた。今日こうして、そうして明日も、ダイナマイトを咥えて若い志が空に咲く。


頑張れよ。そう呟く口元に、流した覚えのない涙がそっと落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ