予想以上
俺は田舎の農研に左遷された
農研に行って寒い地域でも育つ作物を研究しなければならないらしい
すべてはあの部長のせいだ。
最近少し付き合いが悪かったからってそりゃないよ…
部長にハゲと叫びたい気持ちを我慢してローカル線に乗った
どうやら俺はとてつもない田舎に住むことになってしまったらしい。実感がわかない
ここに来るのにも2時間に1本、しかも1両、なのに座れる電車に揺られながらやってきた。
最初のうちはゲーセンやアニメショップの心配をしていたがどうやらそれどころではないらしい。
俺が住むことになる村にはアニメショップどころか地上波が届かないそうだ。
駅からは迎えが来ると上から言われていたが一向に来る気配がない、
約束の時間から1時間が過ぎた。来る気配がない。
2時間が過ぎた。駅の近くに家があるか探したが見つからなかった。
3時間が過ぎた。人より先に熊に会った。
遅れて迎えに来たやつをぶん殴ろうと決意した。
結局5時間後に迎えの車は来た。殴ってやろうと車目がけて走ろうとした瞬間、俺は走るのを辞めた。
何故かって? 俺は貧乳が大好きだからさ!
車から降りてきたのはロングヘアーの黒髪美人、そして何より貧乳だった。
「遅れてすいません!! ちょっと勤務先でトラブルが起きて遅れてしまいました!!」
黒髪美人は本当に申し訳なさそうに俺に話しかけてきた。
「大丈夫です!! むしろ駅の周りが見れて良かったです!!」
駅の周りを歩いてたら熊に襲われかけたがその事は黙って置くことにした。
「ところで… なぜ私の車にすごい速さで走ってきたのですか?」
そうだった 俺は車の中に乗っている人が黒髪貧乳だとはわからないで殴ろうとしていたのだ
黒髪貧乳だったら何でも許すが。
「すこし時間があったので健康作りのためにマラソンをしていただけです!!」
また俺はすごい嘘をついた。
確かにたくさん走ったがそれは熊から逃げていたからだ。
「そうでしたか 。あ、自己紹介がまだでしたね!!
私は中谷玲子と言います!これから行く農研の研究員をしています! よろしくです!」
この人はずっと見てても飽きないな〜
ええと、中谷玲子さんね 覚えておこう
中谷玲子、中谷玲子、中谷玲子…
……… え、中谷?
「もしかして中谷さんのお父さんもこの会社にいるのですか?」
一応俺は聞いてみた。
「玲子でいいですよ! はいそうです!! なんで知ってるんですか〜? 」
まじか
「役職は?」
俺は恐る恐る聞いてみた
「東京の支社で部長をやっています!」
俺の予想は当たっていた
そう、この黒髪美人改め玲子さんは俺をこの田舎に左遷した忌々しき部長の娘なのだ。
あのハゲ親父の遺伝子からどこをとったらこんな黒髪美人が生まれて来るのかがとても不思議だ。
遺伝子異常と言うやつか?
「お父さんはどんな人なの?」
俺はちょっとした出来心で聞いてみた
「とても後輩思いで上司とも仲がいい人だと聞いたことがあります!!」
ものすごくツッコミたいです。
ちょっと酒を一緒に飲まなかっただけで後輩を未開の地に流す人を後輩思いだとは言いません。
なんとかツッコミたい気持ちを抑えられた
それから農研に着くまで玲子さんといろんなことを話した。
テレビは集落では見れないが農研では地上波がとどくということ、この農研には20代の人しかいないことなどを教えてもらった
結局俺が住むことになる集落には午後8時頃に着いた。
長旅で疲れた俺は自分が寝泊まりする家を教えてもらったあとすぐに眠りについた。