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学校探検3with創也

投稿が遅くなってすみません。汗汗

なるべく週一は投稿できるように頑張りますが、最近バタバタで投稿できない週が出てくるかもです…。


 本日、土曜日。


 マジックを披露したのが今週の月曜日。


 ここまでが長かった。



 マジックがきっかけで、動画が広まって怖いと思う反面、たくさんの新しい人と話せたのはいいとも思う。けど、如何せん人数が多すぎた。あまり名前も覚えれてない。


 特筆してなかったが、登校帰宅途中に、さらには授業の合間の10分間休憩に他のクラスの生徒が私を見に教室にやって来ることも実は何度かあったのだ。毎度当たり障りのない対応はしているけど、日が経つにつれてその頻度も高くなってきてると思う。

    

 学校に通う私の目的はたくさんの人と出会うことなので、別にそれは構わないのだが、創也は不満げだった。


 不機嫌なオーラを笑顔で振りまく創也の所為で他の学年やクラスの生徒達は私に話しかけてすぐに退散するを繰り返していた。

 たまに私ではなく創也に話しかける生徒もいたな。それも以下同文。



 創也は動画の影響を警戒しているのか?



 テレビ男から携帯を回収したあと、創也に電話して携帯が戻った旨と私の情報が漏れていることを報告したのが余計に不安を煽らせてしまったのかもしれない。


 現に、一人で学校を歩かないようにと創也母スマイルで念を押されている。


 でも学園の生徒くらいなら別にいいのではと思ってしまう私は楽観的なのか。念は押されてるけど、確約はできないので曖昧な返事しかしてない。


 あの調子だと、また言われそうだな。


 その時に私が思うことを伝えてみるか。




 さて、土曜日といえば、恒例の探検に行く日である。創也も誘ってあるので、そろそろ寮の前に到着した頃かな。最近動画で悩まされてたからいい気分転換にもなれると思うし、タイミングがあれば、創也にその動画に関してゆっくり相談してみるつもりだ。


 ちなみに私の今の姿は、動きやすい服装に着替えてある。といっても、ズボンではないぞ。未だ私服でズボンは履けていない。学校のジャージは周りも同じものを着てるからまだ着れた。でも前の世界でのズボン=男子の概念がまだ抜けきれないのだ。これはおいおい慣れていくしかないかな。


 探検の後は屋上によって弟子と待ち合わせもしている。


 カバンの中には弟子に渡す用の本と昼食(私の分込み)。加えて、創也と軽く食べる用でサンドイッチと飲み物もある。


 まさに準備万端だな!


 気分良く寮の玄関前まで行くと、創也の車が止まっていた。


「おはよっ! 良い青空だね!」


「おはよう。乗って? 目的地まで少し遠いから途中まで車で行こう」


 昨日の帰り道に話し合って、どこに行くか予め決めておいた。


 ズバリ、学園に組み込まれる形で鎮座してある、あの山だ。


 名を河童山というらしい。


 河童というのは地球の生態系を調べている時に、『日本妖怪大百科』という興味深い本を読んで既に知っている。

 魔物はいないが妖怪と呼ばれる人外はわずかだが存在すると知れたのは大きいな収穫だった。妖怪は一度だけ見たことがあるぞ。去年の冬に浜辺で遭遇した『ナンパ野郎』だな。今回の探検では河童に遭遇してもいいように、サラダはキュウリ入りを買っておいた。ちなみに、時間的に余ったら太眉猫さんに会いに裏庭へ一緒に行くことになってるのでこのサラダにはササミも入ってる。


「あの山には小さな神社があるんだ。まずそこに行こう」


「創也は山にも詳しいの?」


「初等部の頃、鳳凛学園に長く勤めてる先生と親しくしてたんだ。この学園にまつわる話を他の生徒より知ってるだけだよ」


「先輩の知恵ということだね」


「ははっ、そうだな。ちなみにその神社には昔悪さをした河童が封印されてるとかないとか。河童山っていう由来もそこからきてるって話だ」


「ほうほう。勉強になりますな。私、そんなこともあろうかと。河童に会ってもいいように、キュウリ入りのサラダを持って来たんだ。何かあったらそれを投げつけて一緒に逃げようね」


「あははは、逆に河童が出たらスマホで写真でもとっとくよ」


「そんな呑気なことを言ってたら襲われちゃうよ! ナンパ野郎に遭遇したことのある私が言うよ。こういう時、変な好奇心は身を滅ぼすってじっちゃんの宇宙人映画のセリフにあったから、あの時はすぐに逃げて今も無事に生活してるんだよ。創也、遭遇しても大人しく逃げよう」


 妖怪に関して軽く考えすぎている創也を真剣に説得する。創也の油断はもれなく私たちの身の安全の危機に直結するかもしれない。


「…ナンパ野郎って、あれか。化け物の」


「そう、ナンパ野郎。覚えてる?」


「………まあ。嫌でも」


「日本には妖怪がいることを肝に命じてないと。いつどこで何されるか分からないんだからっ!」


 大怪我したらどうする!


「…そうだな。妖怪には用心しとくよ。ただ、道奈は妖怪だけじゃなくて人にももう少し用心した方がいいな」


 おやや? 妖怪から人に話が変わったぞ。


「道奈が遭遇したって言うナンパ野郎なんだけど、あれは元人間だ」



 ズドーーーンッ



 衝撃の雷が私に落ちた。


「…冗談抜きで?」


「本当だ。あの後調べたら、人間の男がある一定以上の欲にかられるとナンパ野郎に変貌するらしい。最近学校で道奈に話しかけてきた男子達は皆その予備軍だった」


 ま、まさかそんな。身近に妖怪の卵が…!?


「でもちょっと待って、その欲ってどんな欲?」


 食欲? 睡眠欲? 色々あるぞ。


「女子に近づきたい欲だ」


 どんな欲だそれは! 分からんぞ!


「ナンパ野郎は主に女性に接近するから、理にかなってはいる。同じ男だから誰が予備軍か、俺にはわかるんだ。道奈は女子だから気づけなかっただけだよ」


 ふむ。動物が魔素を取り込んで魔物化するようなことか。創也の説明を聞いて納得した。


「だからあんなに警戒してたんだね。てっきり動画が原因で過保護になってるのかと思ってたよ」


「そういうわけだから。くれぐれも学校で一人にならないように。用心に越したことはないんだろ?」


「うん! 一人にならないように気をつけるよ! 教えてくれてありがとう!」


 創也は私の知らないことをたくさん知っているのだな。


 うんうんと感心していた真っ最中で、創也が何かに満足したような表情をしてたことには気づかなかった。





「ここからは歩こうか」


 そう言われて車から降りる。


 降りた場所は、もう山の頂き付近。色々とすっ飛ばしたなあ。


 探検の醍醐味がだいぶ薄れた感じがしなくもないが、山をふもとから歩きで登るほどの時間はないので仕方がないと割り切る。


「道奈、ほら。あの階段を登ったらもっといい眺めが見れるよ」


「うわあ。何段あるんだろう。長い階段だねえ」


 神社の階段はこんなものだったか。


「そうだな。結構な運動量になるから、運動系の部活には校舎からこの神社の上までを走るっていう練習メニューが存在するらしい」


 それはそれは、お疲れ様ですな。


「私たちはのんびり行こう」


 二人で一段一段登って行く。


 登りながら、神社から見える景色を想像した。

 車から降りた場所は周りに木々があって、麓の景色はあまり見えなかったのだ。


 どんな感じかな。楽しみだ!





 創也と話しながら上まで登り、ついに神社に到着。


 鳥居を潜る一歩手前で後ろを振り向いた。


「うわあああ! 高い!」


 頑張って登った先から見えたのは、学園とその先にある街のビルが一望できる絶景。


 いつもは空に目が行くはずなのだが、今回はなぜか地上の景色に目が行く。


 真っ青な空を高いビルが力強く押し上げているように見えるからなのかもしれない。街自体が生きているようだ。


「…私たちはこの街の中で過ごしてるんだね」


 客観的に遠くから自分が過ごす街を見るのは不思議な気持ちになる。あの生きているような街の一部として自分がいるのか。そう気づいて、今度はなんとも言えない気持ちに変わった。


 いつまでここの一部になり続けるのだろう。



 私がいたい場所はここじゃないのに――。



「…道奈」


 創也の声で気持ちを切り替える。


 今は創也と一緒に探検中なのだ! 楽しまねば損だ損!


「道奈、せっかくだからお参りしよう」


 はっ。そうか。神社ときたらお参りではないか!


 日本ではお寺、神社、教会など、複数の宗教の拠点が存在するということに加えて、いつ行く機会が訪れたとしても大丈夫なように、それぞれの礼儀作法も、把握済みだ。


 えーっと、まずは鳥居の真ん中を通ってはダメだったんだっけか。


 などなど、覚えている神社での礼儀に従ってお賽銭箱のある場所までたどり着く。


 ニ礼二拍手一礼。


 この世界の神様に、無事に家に帰れるように願っておいた。


「道奈って、神社の作法は一から知ってたんだな。時々急にやり出すニ礼二拍手一礼だけかと思ってた」


「調べたからね。それより、早速探検しよっか! まずはこの神社の裏だ!」


 頂上まで車だったからな。物足りぬのだ。


「裏か。俺も行ったことないな」


 お互い初めての場所ということで、好奇心に任せて進もう!


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