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クラスの現状


「あ、猫さん!」


 太眉猫さんも食べるだけ食べて満足したのか、茂みの中へと帰って行き、そしてやっと新海さんは人に戻ることができた。


「おかえり、新海さん」


 人に戻った新海さんに挨拶した。


「え? 荒木さん、真子も。いつの間に?」


 存在すら認識していなかったのか。

 それとも猫化してる間は記憶がないのか。


 どっちもいいか。


「結構前からいたわよ。瑞樹がまた猫に夢中になりすぎて気づかなかっただけ」


「あはははは、ごめん。またやっちゃったかーっ」


 軽いノリで答える新海さんに、全然軽いことじゃないよという意味も込めて伝える。


「新海さんが猫みたいになっててびっくりしたよ」


「猫を愛する為に、猫の気持ちになるのは基本じゃん?」


 そんな誇らしげに言われても…。返答から猫が相当好きなことが伺えた。


「新海さんの猫への愛は十分に感じたかな」


「うん! 猫大好きなんだっ! 今日は荒木さんのおかげで猫さんに会えたよっ! ついてきてくれてありがとう!」


「どういたしまして。会えてよかったね」


「うん! 放課後ウチの為にわざわざ付き合ってくれるなんて。荒木さんって話してみたら思ってたような人と違うなーって実は昨日から思ってたんだ」


「それは私も思ってたとこよ」


 おおお、真子だけでなく新海さんも噂の印象を拭えたようだ。


「今までの荒木さんは、なんか近寄りがたいっていうかなんというかっ。いつも林道様と一緒にいるから余計に? たまに荊野様とも親しげに話すし。あの鬼山様が荒木さんには素直に従うし。火宮様と風間様とも昼一緒に食べてるんだよね?」


 創也達と一緒にいたから近寄りがたいと言っているのだろうか。


 前に明菜から創也は雲の上にいるような人だと言ってたのを思い出す。

 創也以外のみんなも同じような感じで『様』付けで呼ばれて気軽に話せないような存在なのかもしれない。


 周りが創也達に気軽に話しかけられない原因は社会的地位だったかな。


 せっかく平民しかいない日本にいて、貴族とか王族とかまどろっこしい決まりがなくて楽だなあと思っていたのに…。

 それに私たちは同じクラスメイトなのだから、もっと気軽にできないものか。


 ちょっと提案してみよう。


「創也達とは仲の良い友達で一緒にいるんだ。今度普通に話しかけてみればいいよ」


「そんなこと言うのはクラスであなただけね。私は遠慮するわ。目立ちたくないし、それに…傍観するのが一番よ」


「荊野様なら何回か機会があった時に話したことあるけど、林道様とかは他の女子から目をつけられて面倒なことになりそうだから、あんまり関わらないようにしてるっ」



 二人の話を聞いて、気づいた。


 ――地位云々の前に別の理由で関わろうとしないみたいだ。



 うーん。なんか、悲しいぞ。


 新海さんと真子から創也達と距離をあえて置いているのだと聞いて悲しく感じたことに対して戸惑う。


 なんで悲しいんだ。


 悲しみと共に、そんな今のクラスの現状を変えたくなる気持ちが湧いてくる。


 私が悲しいからと言って、そうしたいと思うのは我儘かな。



 …これについては後でゆっくり考えよう。



「あ、それに入学式であの不破間圭と一緒にステージに上がってたでしょっ! 荒木さんって何者なんだーってそこは今でも思ってるよ」


 気持ちを切り替えて新海さんの指摘に答える。


 何者も何も、


「ただの生徒だよ」


「ただの生徒が爆発起こしながらマジックなんてしないわよ」


「それは私がマジックにはまってたくさん頑張った結果かな。それよりも、そろそろ戻ろっか。一緒に帰ろ? 真子と新海さんは寮生?」


「えーっ。いつの間にか真子呼びにっ!?」


「瑞樹が猫に夢中になってる間に、よ」


「ウチだけ苗字呼びだと距離感じるよーっ! ウチも気軽に名前で呼んで?」


 猫になってしまうが、仲良くなれそうだと思っていたのでここは快く承諾することにする。


「分かった。瑞樹だね。私のことも好きに呼んでいいよ」


「わーいっ! 道奈、よろしくねっ」


「それで、帰りはどっち? 寮? それとも自宅?」


 それによってどこまで一緒に帰れるのかが決まってくるのだ。


「瑞樹は二番寮で、私は三番寮よ」


「え、そうだったんだ。気づかなかった」


 真子の存在を知ったのがつい最近って理由もあるな。


「フロアが違うとそんなもんよ」


「じゃあ、瑞樹は近くまでで、真子は寮まで一緒に帰れるね」


 位置的に三番寮よりも二番寮の方が校舎に近いのだ。ちなみに一番校舎から近いのは一番寮である。


「そうね。早く帰らないと夕飯の時間に遅れるわ」


「寮までレッツゴーっ!」




 二人と他愛もない話をしながら寮まで向かった。


 今回がきっかけで二人と親睦を深めれた気がする。


 二人の発言でまだ気になることがいくつかあるが、それはおいおいということで。


 この調子で他のクラスメイトとも仲良くなっていけたらなと思った。



 ****



 勉強も研究も進み終えた後、


 今日も私はベッドの上で考え事中だ。


 もはや恒例となったな。


 色々なことがありすぎて、ついていくのがやっとな日々だが、一旦それは置いといて。



 クラスの現状について考えておきたい。



 まず私は学校を楽しく過ごしたいと思っている。でも真子と瑞樹の創也達と距離を置いているという話を聞いて悲しいと思った。


 悲しいと思うからその現状を変えたいと思うのは…うん。やっぱり私の我儘だな。


 …それでもクラスの現状を変えてみて困るような人がいないなら?

 ちょっとだけ試みるくらいならいいかもしれない。


 まだ変えれるかも分かっていないし。

 でも変える機会も来るかもしれないし。


 まずはクラスの現状について詳しく知る必要があるな。


 私は今まで視線を気にしないようにするあまり、クラスの人に対して関心を持たずに過ごしてしまった所為で、全く把握できていないのだ。


 今日も真子と瑞樹から言われて初めて知ったことばかりだった。


 これに関しては今度、真子か瑞樹に詳しく聞いてみよう。他にも色々と私の知らないことを知っていそうだ。


これでストックが切れました。

プロットは決まっていて、あとは文字に起こすだけなのです。創作は本当に楽しいので、これからも頑張って時間作って書き上げていきたいと思います m(_ _)m

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