舟
向かい風
春には産まれて間もない子供に触れるように柔らかく頬を撫で
夏には濡れた額を乾かせとばかりに潔く過ぎ去り
秋には遠慮がちに首元に物悲しさを運び込む
そして、冬には衣類の繊維までも緊張させる
それは、強く吹くたび戸惑いを誘う
そのまま顔を覆うには早いだろう
そのまま背を向けるのは悔しいだろう
けれど、
そのまま向かい合って立っているには息苦しいだろう
帆を立てよう
強く吹くほど意味がある
強く吹くから意味がある
強く吹くことに意味がある
帆をたてろ
向かい風
春には産まれて間もない子供に触れるように柔らかく頬を撫で
夏には濡れた額を乾かせとばかりに潔く過ぎ去り
秋には遠慮がちに首元に物悲しさを運び込む
そして、冬には衣類の繊維までも緊張させる
それは、強く吹くたび戸惑いを誘う
そのまま顔を覆うには早いだろう
そのまま背を向けるのは悔しいだろう
けれど、
そのまま向かい合って立っているには息苦しいだろう
帆を立てよう
強く吹くほど意味がある
強く吹くから意味がある
強く吹くことに意味がある
帆をたてろ
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