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お金持ちになりたいな

作者: ロミ
掲載日:2026/05/12

数ある小説の中から選んでいただきありがとうございます。

「わあ!何、何これ!」


 朝起きたら、枕の横に黒い物体があって飛び起きた。

 真っ黒で、ツヤツヤしてて、バナナみたいな形。

 まるでう○こ!

 何これ、どうやって部屋に入ったの、まさか私が出したの?


 昨日寝る前、何もなかったよね、普通に仕事して定時で帰ってきて、ご飯作って食べて、なろう小説読んで寝たよね。酒飲まなかったよね。

 夜中に誰か部屋に入った?


 急いで部屋中の扉、窓の戸締りを確認したが、しっかり施錠されていた。


 ここは築15年の2階建て1LDKコーポ、2階の角部屋。古すぎず、新しすぎず、オートロックではないため不法侵入の不安があるが、都心から離れた田舎だし、住宅街だし、最寄りの地下鉄まで徒歩20分。通勤は少し大変だけど、家賃が許容範囲だったので入居を決めた場所だ。

 20歳で今の会社に入社して5年、ここに住んで不可思議な事が起こったのは初めてだ。



 じーと観察してみる。


 型はう○こだが、臭いは無い。真っ黒だしツヤツヤしているので、本物のう○こではないだろう、夜間に私が出したわけではないと思いたい、こんなに真っ黒を出したら病気だ。


「・・・触ってみようかな」


 手で直接触るのは恐ろしい、かといって布団の上に置いておくわけにもいかない、何か掴める物ないかな、使い捨てできるものと考えたら、コンビニでもらった箸を思いついた。


そーと箸で突いてみる、 ”ぷるん” ゼリーのようだ。

そーと箸でつまんでみる、”びろーん” 形は崩れない、伸びるだけだ。

箸を下に差し込んで持ち上げてみる、案外重い、持ち上がらない。


んーどうしよう。

手袋装着して持ってみようかな、ピンクのゴム製品のキッチン手袋があったはず、もったいないけ使おう。


ゴム手袋を装着して握ってみた、”くにゅ” 柔らかい。冷たい。

なんだか真っ黒のツヤツヤ感が増したように感じた。


「・・・漆黒のう○こ」


”ジリジリジリジリ”2度寝防止、目覚まし時計が激しく音をたてた。


「やばい、仕事に遅れちゃう!!!これどうしよう!部屋にそのまま置いておくの嫌だし、会社に持って行くのはもっと嫌」

ジップロックに入れて、タッパーで蓋をして、冷蔵庫に入れることを思いついた。

「冷蔵庫は頑丈だし、何かあっても耐えてくれるよね・・・。うん、入れよう、漆黒のう○この事は、仕事から帰ってきてから考えよう」


私は超特急で身支度をして、会社に出勤した。







私は現在、仕事から帰宅し、冷蔵庫の前にいる。

一応帰宅してすぐ、部屋に異常がない事を確認した。

会社の人には漆黒のう○この事は話せなかった、非現実的だし、頭のおかしな人だと思われたくない。もしかしたら、寝ぼけてたのかもしれないし、何かの見間違いだったのかもしれない。


意を決して、冷蔵庫の扉を開けた。


そこにはジップロックに包まれ、タッパーに入った漆黒のう○こがあった。


「やっぱり夢ではないよね、現実だよね、でもどうするの漆黒のう○こ、なんなのこれ、どうやって入ってきたの」

漆黒のう○こを見つめながら、あれこれ考えたが、何も解決策を見出せないまま夜中になり、明日も仕事なので、漆黒のう○こは冷蔵庫に入れ、部屋の戸締りをしっかり確認して布団に入った。






布団に入ったが、あまり眠れず、朝になった。

冷蔵庫を開けると、昨日と変わらず漆黒のう○こはそこにあった。

今日も仕事なので、朝のルーティーンをこなしていると、ふと思いついた。


「今日は金曜日、燃えるゴミの日、・・・・・・捨てちゃえばよくない。」


いいのか捨てて、得体のしれないものを、分別は燃えるゴミなのか、火に入れたら爆発しないよね、でも私が持っておく必要はないよね、何処にも売れないし、そこらへんに捨てれないし、やっぱり燃えるゴミとして出すのが一番だよね。うん、そうしよう。


ジップロックとタッパーから漆黒のう○このみを取り出し、生ごみと一緒に燃えるゴミ袋に入れ、コーポのごみ捨て場に捨てて会社へ出勤した。


その燃えるゴミを、電線の上で、漆黒のカラスが狙っていることも知らずに・・・。






昼下がり「ウーウー」「ピーポーピーポー」「ウーウー」「ピーポーピーポー」パトカー、救急車両が複数、会社前を通りすぎる。


「どこかで、事件が、事故があったんですかね、救急車両がいっぱい出動してますね」

「え!テレビ見てないの、○○区の住宅街の道路から、石油が噴出したんだって、今は、イランとアメリカの戦争で石油が枯渇しているから、日本は助かったと思うけど、石油が噴出した場所の近くに住民はたまったもんじゃないだろうね、石油の臭いは強いし、今後、採掘で開発もされるでしょ、もう住めないだろうね」

「へー、大変ですね。私も○○区に住んでるんですよ、どこら辺ですかね」

「テレビで中継れてるはずだよ、見てみなよ」


テレビを見てみれば、そこはまさしく、私が住んでいるコーポの真横、ゴミ捨て場の前の道路から、漆黒の石油がゴウゴウと音を立て噴出していた。レポーターやキャスター、評論家が、「奇跡だ、日本の財産だ」と熱弁している。


私は、会社に事情を説明し、仕事を早退して自宅に向かったが、立ち入り規制がされており、自宅に入れなかった。しかたなく、仕事場の近くのカプセルホテルに身をよせた。





どうしてこうなった、私のせい、あの漆黒のう○このせい、いいや、そんなことは無い。私のせいじゃない。だって漆黒のう○こが石油になるなんてわかるわけないじゃん。でも、それしか考えられないよね。

は~。これからどうしよう、家を追いやられたんだから政府から補助金でるよね、でないと生活できなよ~。考えてもしょうがない、今日は疲れたから寝よう。明日は土曜日で休みだし、明日ゆっくり考えよう。おやすみなさい。





翌朝、

「わあ!何、何これ!」


 朝起きたら、枕の横に赤茶色い物体があって飛び起きた。

 赤茶色で、ツヤツヤしてて、バナナみたいな形。

 まるでう○こ!

 何これ、どうやって部屋に入ったの、まさか私が出したの?















今回は主人公、石油王の道を逃してしまいました残念。

漆黒のカラス(神の使い?)は生ごみを漁り、ポロンと漆黒のう○こが、地面に接触しました。

焼却炉に運ばれていたらどうなっていたか、想像したくないですね。


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